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増える富裕層に浸透しつつあるアート

2010-09-28 12:46:05     cri    

「経典北京」に見る中国アートの現在

 有名アーティストの作品を対象に、コレクターや美術館などに取引の場を提供するアートフェア「経典北京」が19日に閉幕しました。3日間で、来場者は延べ15000人、取引額は4000万元に上ったと見られています。急ピッチで成長している中国経済及び富裕層の現われが中国社会におけるアートのあり方に及ぼした影響を実感しました。

 ■ビジネスの成功後は古典を嗜む

 中国的元素の取り入れを重視する今回の展示会でこれまでになかった内容として、骨董品の陳列が見られました。中でも、いったん現代社会から姿を消したとされている「お香」のブースが多くの来場者を引き付けました。

 お香の鑑賞に使われている「沈香(じんこう)」は年数の経ったものが多いため、お香は中国では「骨董品」扱いになっています。中国ではお香を嗜む文化は6000年前にさかのぼることができますが、近代において、ほぼその作法や伝統が途絶えてしまいました。しかし、最近は一部のビジネスで成功を収めた人を中心に、お香を嗜む文化が復活しつつあるようです。

 今回お香をテーマに出展した会社は、まさにその担い手になっている会社です。会社ができて半年、日本の香道の作法と融合した形で現代風の中国色のある鑑賞作法を作り出したと社長の張丹陽さんは紹介してくれました。

 「お香は昔から上流社会の社交の手段でした。私たちはお香のこういった個性に着目して、骨董品という古くからの考え方ではなく、現代に適した新しい形でお香の文化を発揚していきたい、もっと多くの人に知ってもらいたいと出展しました」

 紹介によりますと、沈香の主な産地はシンガポール、ベトナムと中国の海南島ですが、最高級の沈香は1グラム数万元(日本円だと数十万円)もするようです。しかし、市場の将来性について、「今の人は生活が忙しすぎるため、心の落ち着きを求めています。お香は、その良い媒介になれるので、お香の産業はこれからよい市場が開けることでしょう」、と張さんは楽観視していました。

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