さて、その杭州市淳安県の千島湖ですが、小さな島が1078もあることからその名があります。深い渓谷にダムができ、谷が水没した後に峰々が残って島になったというわけです。
午後は、大型遊覧船に乗りその千島湖遊覧に出かけました。湖を横断して約40分、まず最初に着いたのが梅峰という場所。船着き場からリフトに乗り、石段を登ったところでハッと息をのみました。湖を一望する展望台からまさに写真の風景が見えたのです。実は、事前に見ていた千島湖のパンフレットには、必ず少し高いところから見た湖と島々の写真が載っていました。梅峰は、その写真を撮った場所でした。そうした絶景ポイントには、普通はなかなか行けないものですが、埠頭とリフトと展望台まで造って簡単に行けるようにしてしまう、中国の観光開発の力を見せつけられた思いですが、エメラルド色の湖面に島の緑が映え、いつまで見ても見飽きない風景でした。
帰路、海瑞祠に寄りました。海瑞は、明代の政治家で皇帝に直言し投獄された清廉潔白な官吏として知られている人です。その海瑞を慕って当地の人々が明代に建てたのが海瑞祠ですが、ダム工事で水没したのを1986年に観光名所として再建したものです。中国では、仏教寺院などが再建されるとピカピカの派手な建築になりがちですが、この海瑞祠はなかなか落ち着いた仕上がりで、装飾の彫刻もなかなか見応えがありました。
千島湖は、現状では、観光地としては梅峰と海瑞祠などごく限られたものしかありません。しかし、中国社会の変化に伴い、団体で船に乗ってざーっと見て帰るという今の旅ではなく、今後は滞在型のリゾート地になっていくのではないかと思います。
さて、こういうわけで杭州市の旅は遊覧船の三連発でした。とは言え、最初は広々とした西湖遊覧、次は湿地の水路巡り、そして最後は大型船で山の湖探索と、それぞれの特徴が生かされたとても楽しい旅でした。
明日は、温州に向かいます。温州というと日本では温州ミカンぐらいしか知られていませんが、実は、温州は、中国軽工業の重要な生産基地になっています。もともと山が多く農業では食べていけない土地柄で、やむを得ず中国各地に出稼ぎに行った人々がそれぞれ財をなし、そうした人々は温州商人と呼ばれていますが、温州に残った人々も工夫してさまざまに起業してきました。そんな企業の一つを訪ねる予定です。(文:大野清司)
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