中国の尹蔚民労働力資源と社会保障相は北京で9日、新中国が建国して60年来、労働力資源と社会保障事業が絶えず発展しつつあり、大きな成果が収められたと述べました。
これは、尹蔚民氏が国務院報道弁公室による記者会見で述べたもので、さらに中国の社会保障事業の現状について、「現在、わが国の就職情勢が安定し、社会保障制度が完備されつつあり、人事制度の改革がより進み、人材育成が大きな進展を収めた合理的な分配制度が設立、労働関係が全体的に安定しており、社会主義市場経済体制に適応する労働資源と社会保障制度の枠がほぼできている」と説明しました。
会見によりますと、建国60年来、社会保険を主体にした介護、福祉、支援、住宅、慈善などの保障制度が設立されました。2008年末現在、都市部年金保険の加入者数が2億2000万人に、都市部基本医療保険と新型農村協力医療保険の加入者数があわせて11億人を超えたほか、6600万人が最低生活保障を支給されているということです。
9月1日に、新型農村社会年金保険の試験実施が全国で行われ、年内には10%の県レベルの行政区で実施、2020年前にはすべての農村地域に拡大する予定です。尹蔚民氏は「これは農業税の免除、義務教育の実施、新型農村協力医療制度につぐもうひとつの農村優遇政策だ」として、「『新型農村協力医療保険』、略称『新農保』は社会保障体系を完備させ、国際金融危機に対応し、安定した経済発展を図る政策で、都市部と農村部の間にある『二元化』構造を打破し、社会全体の平均を図る決断だ。この政策は、農村経済の発展と社会の安定を促進するのに大きな役割を果たすだろう」と説明しました。
現在、60歳以上の農村部住民は1億人を超えていますが、高齢化が深刻化になっており、農村部の高齢者の数がもっと増える傾向です。ところが、「新農保」の実施によって、農村の生活レベルが高まり、都市部との格差が縮まると思われます。この資金は個人の掛け金、団体と政府による補助からなりますが、地域間の格差をなくすため、経済の立ち遅れた中、西部地域には、中央財政は全額補助を実施し、各省もそれぞれの貧困地域に優遇政策を実施するということです。
ここ数年、財政収入の増加によって、社会福祉事業に調達された公共財政経費が年ごとに増え、国営企業や事業体職員の給料も高くなっています。2008年、都市部の現役職員の年平均給料は1978年水準の40倍に当たる3万元近くになりました。
9月2日、国務院常務会議では、公共衛生と医療機構など事業体における査定給料制度の実施草案が採択されました。尹蔚民氏は「査定給料制度は、単なる給料を上げるわけではなく、奨励金制度の完備を目標とするシステムだ。査定給料制度は、事業体給料制度改革の重要な一環で、合理的な給料体制や、奨励金制度の構築にプラスとなるもので、それによって、従業員の積極性を引き出し、社会事業の発展を促進し、公共サービスの質を向上させることができるだろう」と述べました。(翻訳:傅頴)
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