この開発区に、今回訪問したもう1つの企業、スウェーデンの携帯電話メーカーのエリクソンもあります。地震発生後２日後には、中国各地のエリクソンのオフィスからボランティアが集まり、支援活動が始まりました。

　電話に関する復旧状況は、基地局が山の上にあるため、山崩れなどによる被害が大きく、地盤が安定しないとどうにもならないという事情がありますが、全体的にはほぼ復旧しています。

　しかし企業全体から見ると、地震がありながらも去年は大幅に業績が伸び、今年も中国で始まった３Ｇ規格への需要があるために期待できるということです。

　わずか２つの企業だけで語ることはできませんが、高新技術産業開発区そのものは「元気」なのではないか、そんな印象を受けました。我々一行がエリクソンを後にしたとき、ちょうど終業時間でした。この開発区は、企業が集まるところというより、郊外にできた新しいキャンパスといった雰囲気がする場所で、そこへ服装といい年の頃といい、大学生か大学院生といってもいいような人たちが楽しげに歩く姿を見ていると、ここにはこれから何かが生まれる力がある、と思わざるを得ませんでした。