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【第7回中日インターネット対話】文字版
   2008-09-01 18:58:50    cri

 

 

<第三部  スポーツ交流と井村コーチがもたらしたもの>

 

■取材:井村中国のメダル獲得について

■日本人(大使館関係者)

1)道上と言います。今回、井村コーチのお陰で、中国がメダルが取れたのですが、中国の方はもちろんですが、日本人の我々としても、両国のスポーツ交流がさらに深めていただけたとうれしく思っています。これからも、もっと交流を深めればよいと思います。

 

2)小松と言います。スポーツの世界には国境がないので、国を超えて、それぞれ素晴らしい技術も交流ができればそれが一番良いなと思っています。これからもこれを機会に、中国とのスポーツ交流の仕事を努力していただければ、日中の仕事に携わるものとしても、たいへん嬉しく思います。

 

     中国人のスポーツ愛好者

パン・ハオさん

私はスポーツが好きな中国の観客です。シンクロを見るのが好きです。今回、井村コーチの指導を得た中国代表の演技を見て、改めてシンクロに魅了されました。中国のシンクロは、世界との交流によって、進歩を得たのです。中国が井村コーチを招聘したことは、シンクロが世界に普及していることを中国が注目していることの現れであり、また、中国がオープンな態度でスポーツ交流に臨んでいることの現れでもあると私は見ています。これと同時に、アメリカ女子バレーを指導した郎平さんのように、これからは、優れたコーチが国を出て、海外でそのスポーツの普及に尽力する時代がやってきたと思います。私のような一般の観客にとっては、こうした交流は、スポーツの魅力を感じる良いチャンスだと思っています。

ですから、今回のシンクロで、井村コーチが中国代表を銅メダル獲得に押し上げてくれたことにもちろん感謝していますが、それ以上に感謝したいのは、井村コーチが中国チームに美しいパフォーマンスを演じさせてくださったことです。

 

また、個人的には、井村コーチの人格の魅力に惹かれました。これまで、日本人に対して抱いていた偏見がとけたと思います。中国人と日本人の付き合い方に、問題がよく指摘されますが、そうした世論に流されるのではなく、何よりも、自分の目でしっかり見すえる必要を感じました。井村コーチのような方が現れたのは、決して、彼女一人の力だけではなく、何よりも、日本で彼女を支えている大勢の人がいるからではないかと思います。井村コーチを通して、中国とわだかまりのない付き合いをしている日本人が大勢いることを知りました。この点、中国の郎平コーチと本当に似ているのではないかと思います。

もちろん、お二人ともたいへん魅力的な人だという点も似ているのですが。私だけでなく、周りでも、北京オリンピックの話をすれば、日本から来た井村コーチのことが話題になり、日本に対して、良いイメージを持つ人が増えたと思います。

 

燕:両国の人たちから熱いメッセージをいただきました。

  日本を見る視点が変わって来ました。

 

燕:李監督はスポーツ交流が何故必要なのか、また、ご自身の体験から何が見えるとお考えですか。

李:たとえば、経済的な方面から言うと、社会が発展すると、マネーが流動する。スポーツの交流もそれと同じ。水が高いところから低いところへ流れるという自然現象や経済現象と同じです。人材の交流は、現代の社会としては必要です。中国は今回、外国人コーチ38人を招いて、五輪で活躍し手頂いて良い成績をとったことは、非常に良策だったと思います。

 私も短い間、イタリアに招かれて行ったことがありますが、西洋はこういうことに対して、案外なんとも思っていないもので、実力があれば招く、国籍なんかは関係ない。実力があって、その上に、チームの成績を上げていったら、それでOKです。スポーツの交流は実績を重視する勝負の世界ですから。もちろん、皆さんが言われるように、スポーツはインターナショナルなランゲージ(Language)ですから、非常に皆さんが交流しやすい部門ですね。

 

燕:日本にとって、北京五輪後、スポーツの国際交流に対する姿勢に変化が見られたと思いますか。

井村:北京五輪後、日本は外国人コーチに対しては、すごく、閉鎖的な種目と開放的な種目と分かれていると思います。逆にサッカー等は、外国からコーチを招聘するのは当然のようで、シンクロは、「出て行くのは、とんでもない」みたいな感覚(笑)があって、ばらばらだと思います。でも、結果的に、五輪が終った後の動きとしては、38人の外国人コーチを招聘して、成果をあげた中国をこれから、見習わなければ、という日本のスポーツ界全体の動きはあるようです。コーチが交流する時代なのだと。日本も乗り遅れてはいけない、と。確かに、そういう動きが出ています。

姜:中国人のコーチで、日本で活躍している人もいっぱいいますし。今回も女子体操や、飛び込みなどで活躍していましたね。もしかして、今まではこのような双方向の交流が頻繁でなかったため、井村コーチのことが目立って注目されたのかもしれません。日本もこれから、もっと海外にコーチを派遣することになるでしょうか。

 

李:両国のスポーツ交流は長い歴史があります。たとえば、野球とソフトボールは1970年代から、日本の有名選手や監督がどんどん来られて、指導した長い歴史がある。この前も、中華台北に勝つような実力をつけたには、長い歴史がある。長島監督や広岡さんとか、巨人の有名な人が全部来ています。ソフトボールも教えてもらっています。

 

姜:そうですね。それから、卓球の交流やバレーボールの大松監督も良く知られていますし。

 

燕:さて、当初、井村さんが中国のヘッドコーチを引き受けた時は、日本国内では、「日本のノウハウを敵国に売った」という声があったようですが、そういった声は最近、どうですか。

井村:ないです。逆に、日本のメディアにも応援していただきました。メディアの方は、中国と日本が戦うことを期待しているのではなく、良きライバル、良き競いあい、そして、それが、お互いにもっと世界のトップを目ざすことを期待しているのであって、私は、今回の五輪期間中、中国のメディアはもちろん、日本のメディアにも応援していただいたと思います。

 

■来場者の発言

【中日(東京)新聞社】

平岩:最初の時は2006年の暮れの時は、みな驚きで、予想していないから、それが反発になったような感じがありましたね。それは当初のころに比べて、感情的にだめなものはだめみたいな議論から、かなり冷静になってきているのではないかと。何人かの日本人の方に聞いてみた感じでは、最初は反対だったけど、いまは、井村さんの考えも理解できるという意見の人も多くありますし。私個人は2年ぐらい中国にいますので、最近の日本の世論が分からなくなっている面もありますが…()

 

【『コンシェルジュ北京』編集部】

和泉:私は小学校の時、ロサンゼルスのオリンピックでシンクロ種目を見て以来、魅了されて、ずっと、オリンピックがある度に、シンクロの放送がある時は必ず見てきました。今回、井村コーチが中国ヘッドコーチに就任される時に、アテネ五輪終った後、日本代表のヘッドコーチを引退したということでしたが、その後、中国のヘッドコーチに就任されると聞いて、引退されたのに、どうしてまた指導されるかなと思って、びっくりしました。また、もし日本のコーチをされるなら、なんとなく分かったが、何故、外国、しかも、中国なのかなっていうのが…

   (井村:「しかも」、ってどういう意味ですか)

会場の笑い

和泉:疑問だったのですが、最初は、やっぱり、郷土の選手を指導して、メダルに導いてほしいというのがあったんですが、だんだん、井村コーチの考えがネットや新聞の記事に出てきまして、だんだん私も井村コーチの考えに賛同するようになって、今はすっかり、中国チームのファンになっています。 

 

井村 きっと、「何故中国?」というのはね、中国を日本の人たちが恐れていると思うのですね。中国が強くなったら、これはとめることができないみたいな考えがあると思うのですね。中国が強くなれば、それと競い合えばいいもんであって、だけど、異様に中国のことを、これはスポーツだけでなく、経済でも何でもそうですけど、異様に恐怖心を持っていると思うんです。そしたら、逆にそこから学ぶということもあるはずなんですね。だから、中国がこう来たら、日本はこう来ると、お互いに切磋琢磨すればよいのに、想像で怖がっている部分があって。今、仰られたような、何故中国なの、他だったらいいの?みたいな感じですけど、中国だからだめという声も私はたくさん聞きました。何故、中国だとだめなのって。

王 アメリカだと良い、ということだったのですか。

井村 私が、その時、言われたのは、「中国とスペインはだめ、他なら、ともかくとして」と。それ、どういう意味ですかって思ったんですけど。スペインは日本よりも上で戦っていたところだから、中国は何なの?と言ったら、「この中国という国は強くなったら、とめどなく強くなる」という恐怖心があると思う。そしたら、負けずに行けばいいと私は思っていますから。だから、その中国の底力を怖がっているようで、(本当は)怖がることはないと思います。

 

王:スポーツを超えて、両国の付き合い方にとって、啓発的になるお話でもありますね。

李:中国の現場で見るファンは、三年前ぐらいまでは日本の方が日の丸をもって、観戦できなかったような雰囲気がありました。今度は、各会場で全部、日の丸を振って、皆さん一所懸命に同じように応援しておられた。野球場でも、ソフトボール場でも、ほかの競技場でも全部そうでした。だから、そういうのが、本当のスポーツの世界であって、怖がるとか、怖がらないのか、そういう場面じゃないですね。真剣に勝負しても、ファンとの間で、もちろん、ファンのやりあいとかはありますが、結局はスポーツですので。

 

【中日インターネット対話OBスポーツコンサルタント】

坪井信人さん

井村さん、おめでとうございます。チームの試合をテレビのライブ放送で見ました。スピード感が溢れて、すばらしい演技に鳥肌が立ちました。うれしいことに、前回のネット対話で井村さんとご一緒させていただきましたので、ほんとに身近な感覚で競技のほうを見ることができました。皆さんもおっしゃっていましたが、この一年ちょっとの時間を通して、スポーツを通して、日本と中国、または、シンクロという世界で色んな変化があったのではないかなということを感じます。これはやはり、日本という枠にとらわれずに、中国にいらっしゃることを決断した、井村コーチの決断も大きかったのではないかなと感じております。今後も、スポーツ界の交流、または、スポーツ界を超えた交流でご活躍いただければと思っております。

 

【大学生ボランティア】

徐博シンさん:

シンクロの審判員に採点が中国代表に有利になるよう働きかけはしませんでしたか。

井村:残念ながら審判員と接する場面がなかったですよ。接しないようにできていまして、審判員が事前にその演技を見ることもできないですし、審判は審判が終ると、すっと立ち去り、私たちと接しないようにしているのです。シンクロの場合。逆に言うと、審判は見られないので、各国のコーチは見られる。だから、中国は今回のオリンピックで、こんな演技をしていて、やっぱりなんとなく、審判の耳には入るのですね。だから、私は選手たちには、審判が見ることができないので、試合が始まるまで、コーチとも選手とも接することができないので、中国の選手には、あなたたちは五輪でメダルを取ったことがないから、練習は試合のようにしなさい。そして、今年の中国のチームはいい演技をしないと、練習の時から本気でやりなさいと、選手には言いました。そして、世界のコーチから、そこの国の審判に届けばいいなと思っていましたけど。全然、審判員とは接するチャンスがなかったですから。しかし、それよりも、試合の時の演技がすべてです。

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