先日のサッカー観戦の時には北京南駅から天津へ、開通したばかりの新幹線に乗ってゆきました。この新幹線は北京と天津の間120kmを30分で結ぶ高速鉄道です。
北京の基点となる駅はこれも最近出来た北京南駅。入ってみて驚きましたが、まるで空港のような大きな駅で、入口のセキュリティーチェックを通ると、大空間に待合ロビーが広がり、その先に切符売り場があります。
早速掲示板を見ながら予約状況を確認し、天津行きの切符を買いました。料金は1等69元。私たちの乗った2等は58元と日本円で900円くらいでとても安いです。120kmの距離を日本の新幹線に乗れば、相当高いと思いますが、中国ではバス、タクシー、電車等の乗り物料金はとても安く、暮らしやすいです。
外観や、中の車両の様子、座席等は日本の新幹線とそっくりで、日本からの技術をほとんど導入しているようです。途中では時速340km位まで上がる箇所もあり、天津までノンストップで30分、本当にあっという間に着きました。
私の住む北京大学の宿舎は北京市内の北西部にあり、北京南駅まではバス、地下鉄、タクシーを乗り継いで1時間20分くらいかかりますから、北京から天津までの方がかえって近く感じました。天津に着くと駅がまた新しい巨大な駅で驚きました。
天津の町は、19世紀から20世紀初頭のヨーロッパ諸国との関係から、古い建物や橋などに異国情緒の漂う、なかなか雰囲気の良い町でした。スタジアムに向かうバスの中では、天津にある南開大学の女子学生と親しくなり町の様子を聞き、「南開大学は周恩来の出身大学ですね。」と言うと、うれしそうに「そうです、周恩来さんは私たちの大学の父です!」と答えてくれ、話が弾みました。
また、天津のタクシーは、基本料金が8元と北京よりも2元安くリーズナブルで、2回目に行ったときには運転手さんが親切で、サッカースタジアムに行くまでに天津の観光名所について親切に話してくれました。おかげで試合前まだ時間があったので、途中で降ろしてもらい、高さ415mある天津タワーにのぼることも出来ました。高層から天津の町を眺めながらジュースを飲んで一休みし、スタジアムへ向かいました。
この高速鉄道のおかげで、北京と天津はさらに強く結びつき、2つの都市は一体となって五輪後の中国を新たな発展へと導いてゆくことでしょう。サッカーが天津スタジアムで開催されたおかげで、
私たちは思ってもいなかった小旅行で素晴らしい経験させてもらいました。
【プロフィール】
1957年生まれ 早稲田大学教育学部卒 筑波大学体育研究科大学院修士課程修了 専門スポーツは陸上競技 早稲田大学本庄高等学院 教諭 早稲田大学スポーツ科学部講師 2008年4月ー2009年3月 早稲田大学から北京大学への交換研究員
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