「あなたはCRIの記者ですか。CRIのバッチがありますか。二つください。綺麗なロゴですね。交換しましょう。私はCRIの熱狂的なリスナーですから……」
これは北京オリンピックのメインプレスセンターにある北京放送のブースを訪れたボランティアの戈揚さんから姜平記者への頼みです。姜平記者から北京放送のオリンピック記念バッチをもらいたいからです。
戈揚さんのようなオリンピックの記念バッチを集める人が大勢います。記念バッチの交換はむしろオリンピックにおけるもう一つの楽しみでしょう。選手やコーチ、記者、ボランティア、一般観客、すべて夢中になっているようです。
今年74歳のロバートさんはアメリカ記念バッチ収集クラブのメンバーです。ロバートさんは32年前からオリンピックの記念バッチを収集しはじめました。北京オリンピックの記念バッチを手に入れるため、ロバートさんはクラブの200人余りのメンバーと一緒に北京を訪れました。
「僕は、オリンピックマスコットの記念バッチを収集しています。もうたくさん手に入れました。綺麗なマスコットのバッチを見つけたら嬉しい限りです」
オリンピックの記念バッチを収集する一方、彼らは北京の名所旧跡を巡って、楽しい旅を過ごしました。また、バッチ収集のコツについてロバートさんに聞いてみたら、彼は北京でバッチ収集の3つのホットスポットを教えてくれました。北京展覧館、世貿天階、朝陽公園の三ヶ所だそうです。オリンピックのファンやスポーツ愛好家たちは毎日以上の三ヶ所に集まって、自分のほしい記念バッチを探して交換したりしています。
オリンピックの記念バッチは大まかに分けると3種類あります。一つはオリンピック特許記念グッズや各国のオリンピック委員会、代表団の記念バッチです。一つはオリンピックを報道するメディアの作ったバッチで、最後はオリンピックのスポンサー企業が作ったバッチです。
北京オリンピックのスポンサーとして、速達輸送会社のUPSは観客や記者たちに「UPSのオリンピック記念バッチ」を無料で配布しています。これについて、UPSの賀岩さんは次のように語りました。
「世界各地の人々はオリンピックのために北京に集っています。この記念バッチは北京オリンピックの思い出になれば嬉しいです」
記念バッチの無料配布は企業にとって、見事な自己アピールですね。
もちろん、ロバートさんのようなプロの収集家もいれば、バッチの交換によって友達を作る一般観客もいます。20歳の李夢瓊さんは最近、記念バッチの交換に興味を持つようになりました。
「北京オリンピックのサービスに参加することが出来て、本当に嬉しいです。記念バッチの交換は英会話の練習に役立ちますし、人とのコミュニケーションも出来ますから」と李さんは興味津々に語ってくれました。
李さんはオリンピックのMPC(メインプレスセンター)のファストフード店で働いています。毎日の仕事が終ってから、彼女は各メディアのブースを回って記念バッチの交換を求めています。手に入れたさまざまなバッチのうち、李さんが一番気に入っているのは、一枚の日本のバッチです。
「私が一番気に入ったバッチは、日本人の友人からくれたものです。その日本人の方はとても親切です。ある香港の人が100元で買いたかったが、譲りませんでした。私といろいろ話した後、ただでくれました。本当に感謝しています」
アメリカのロサンゼルスから来たセシャンさんは1984年のロサンゼルス大会から、オリンピック記念バッチの収集にはまってしまいました。北京オリンピックの記念バッチを集めるため、セシャンさんは北京でアパートを借りて長く滞在するつもりです。
「中国人が大好きです。北京で一般庶民の住宅を借りて泊まっています。中国人のお隣さんは僕に携帯電話を貸したり、地下鉄の乗り換え方などいろいろと教えたりしてくれました。暖かい人情味にあふれる北京での暮らし、とても快適で、大満足しています」
オリンピックはただのスポーツ大会だけではなく、喜びや楽しみを分かち合う交流の大会でもあります。小さな記念バッチは暖かい友情を込めて、人々の間で渡し合い、友好の種を撒いています。(取材:姜平 翻訳:Lin)
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