陝西省西安市での聖火リレーで、元飛込み選手・田亮が注目されていました。

　田亮は1979年、重慶市生まれ。2000年シドニーオリンピックの10m高飛込み、そして2004年アテネオリンピックの10mシンクロ高飛込みで金メダルを獲得しています。

　2006年に現役を引退し、前回のアテネオリンピックからは聖火リレーにランナーとして参加しています。今回の北京オリンピックも、西安でのリレーで第1走者を務めました。担当区間を走り終えたあと、トーチにキスしたシーンはとても印象的でした。田亮は「中国で聖火リレーに参加するのは、かなり特別な感じがした。本当に興奮した。4年前、アテネオリンピックの聖火リレーに参加したときは、なんとなく『お客さん』気分だったけど、今回は自分の国が主催するオリンピックだから、より誇りに感じた」とそのときの心境を語りました。

　1994年、初の全国チャンピオンを獲得。以来10数年間、田亮は国内外の大会で数え切れないほどのメダルを獲得してきました。2006年引退を宣告し、現在は北京の清華大学に在学中です。「昔はオリンピックのことを、夢や栄光など輝かしいものだと思っていた。でも、選手を辞めた今わかったことがある。オリンピックは単なる競争ではない。今は、心の交流や平和、そして、団結の力を表すものだと思っている」と、オリンピックで金メダルを2回手にした田亮はこのように話してくれました。

　今年はいよいよ、北京でオリンピックが開かれます。選手としては参加しませんが、母国でのオリンピックを心から応援したいと田亮は「必ず観戦に行く。今回は、自分にとっては4回目のオリンピックだ。前の3回は選手として出場したけれど、今回はサポーターとして見に行く。立ち位置はすっかり変わるが、オリンピックへの思い・情熱は少しも変わらない」と語った上で、「今回のオリンピックで、中国飛込みチームの皆さんはきっといい成績を収めると信じている。ホームゲームということもあって、国民からの応援をより強く感じられるだろう。それをプレッシャーと感じず、しっかりと完璧なパフォーマンスを見せてほしい」と中国飛込みチームへ応援メッセージも送りました。