瀋陽市遼中県の大蘭村の農民、姜大光さんは、野菜農家の間ではちょっとした有名人です。姜さんは、野菜について詳しいだけでなく、野菜作りを親切に指導してくれるからです。
今年36歳になる、野菜作りに関する高級技術者の資格を持っています。人助けが好きな姜さんは、どんな質問でも答え、指導してくれます。誰かのビニールハウスで問題があったら、姜さんは自ら出向かい教えに行くのです。郷個力房村の林岸奎さんは、姜さんの指導を受けている一人です。姜さんの指導について、林さんは「二つのビニールハウスを持っています。今は、インゲンを栽培しています。姜さんは、『早めに苗を植えなければならない、遅れたら、苗の成長に響くからよくない』と教えてくれました。彼が言ったことは一理あると思います」と話しています。
実際、姜さんの技術指導は農家に利益をもたらしています。同じ村に住んでいる曹喚生さん夫婦は、今年の正月前、セロリの相場が落ちこんで悩んでいましたが、姜さんの指導のおかげで、去年より2700元あまり収入が増え、「しょっちゅう姜さんに電話を掛けています。セロリにどんな肥料を与えたらいいかとか、なんでも聞いています。小さめのハウスだけで8000元、日本円にしておよそ12万円の売り上げがありました。収穫量は、少なくとも3割増えたと思います」と喜んでいます。
1988年、姜さんは中学校を卒業し、農業を始めました。自分でビニールハウスを建て、野菜栽培を始めましたが、技術になく、収穫はゼロ、3000元も損しました。このことから、ビニールハウス栽培はただやるだけではだめで学問が必要だということ、また、技術を習得しなくてはならないことに気づくようになりました。そこで、姜さんは、農業技術に関する本を読み、研究し始めました。昼間は、ビニールハウスで、野菜の生長の様子を細かく記録し、夜は農業の専門雑誌を読みました。時には、農業大学や研究所の専門家を訪ね、相談しました。また、専門家の指導の下で、姜さんは、一年あまりを費やして、きゅうりの生長過程で現れた害虫被害のほか、異なる環境条件におけるきゅうりの生長状態を撮影しました。このほか、「茄子の接木」、「ビニールハウスの野菜」、「害虫の駆除」などというテーマCD?ROMも製作しました。これらのCD?ROMは、情報を必要とする農家に無料で配布しました。
こうして姜さんは、10年ぐらいかけて農業知識を習得し、「高級農業技術者」の資格を取得しました。
2001年、姜さんは、遼中県大光グリーン農業協会を立ち上げ、翌年の初めには、大光農業技術サービスホットラインを設けました。ホットラインにはこれまでに50万件以上の問い合わせが寄せられました。また、ここ数年、遼寧、吉林、黒竜江の東北三省を中心に全国1000ヶ所あまりの村で講演会を行いました。講演会は無料で、これまでに累計7万人あまりがつめかけました。これについて、姜さんは、「農民のみなさんが信用してくれることは、大きな励みになっています。最も身近なところにいる農民のみなさんのために私は何かをしなければならないと思います」と自分が持っている技術を他の農民たちにも身につけてもらおうとしています。
来週は、気象の研究に尽力している崔広さんのことをご紹介します。
最後に、番組についてお知らせします。遼寧シリーズは来週から、毎週日曜日にお送りすることになりました。担当は私朱丹陽から黄キョウさんバトンタッチします。これからもぜひ聴いて下さい。
では、来週のこの時間まで、ご機嫌よう。
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