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開幕式で挨拶する曽培炎副首相 | 第八回中国発展ハイレベルフォーラムが3月17日ー19日、北京市内の釣魚台国賓館で開催され、世界各地からの著名な学者や企業家及び中国の高官らが、「新しい経済成長方式に向かう中国」をテーマに意見交換、ディスカッションを行いました。
中国国務院の曾培炎副首相はその開幕式で、「成長モデルの転換を加速させ、持続可能な発展を推し進めていく」と題した基調講演を行いました。「経済成長モデルの転換」は中国が十数年前から呼びかけているテーマですが、これまで経済成長が不均衡と非持続的という「隠れた憂い」を抱えており、この課題に向けた本格的な取り組みはなかなか開始されませんでした。曾培炎副首相はその講演で、今後の経済成長は内需による牽引作用を重視していくと述べ、「国内の発展と対外開放を両立し、輸出入貿易の構造の最適化を図り、人民元の為替メカニズムを完備させる。そして国際収支の均衡を取り、内需の経済成長への牽引効果を一層強化していく」と述べました。
グリーンGDPは中国の学術界で高く評価されている指標です。それに対して、曾培炎副首相は、「中国は法に基づいて立ち遅れた生産能力を淘汰し、2010年までに5000万キロワット以上の小型な火力発電ユニット、1億トンの製鉄設備、5500万トンの鉄鋼設備をそれぞれ閉鎖して、発生源から資源の消費と汚染物質の排出量を減らすよう努力していく」と語りました。このほかに、曾培炎副首相はまた、価格や税制のてこ入れ効果に着眼した改革の実施や外資の環境配慮型産業への傾斜を奨励していくなどの内容を語りました。
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Stephen Roach | 海外の参加者たちも、フォーラムのテーマをめぐり、活発な意見交換を行いました。モルガン・スタンレーのチーフ・エコノミストであるStephen Roach氏は、「均衡の取れた経済成長は、量よりも質を重視している。高度成長のもたらす消極的な効果もあり、収入配分や環境への負荷などのマイナス的な影響をも考えなければならない。ここ28年、中国は経済の成長モデルの転換過程において、信じられない成果を成し遂げた。しかし、これまで成長方式はこれからの28年で同様な効果を果たすことが期待できないだろう。経済成長の代価は考慮すべき重点課題である」と指摘しました。
なお、中国発展ハイレベルフォーラムは中国の改革と発展をめぐる重要な問題について、中国政府と内外の企業家、学者、国際組織の代表たちに交流と対話の場を提供するため、2000年、中国国務院発展研究センターの主催で始まったものです。それ以来、中国の経済発展に有意義な提言を行いつつあり、経済のグローバル化を目指す中国と世界の相互理解を深めることに大きな役割を果たしてきました。今回のフォーラムの模様は中国中央テレビや新華社のウェブサイトで映像及び文字による中継が行われました。(新華ネットより 翻訳:王小燕)
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