義烏市は、浙江省の中部にあり、南は、広東省、福建省に接し、東は、上海に接しています。交通が便利で、経済が発達しており、中国、そしてアジアで規模の最も大きい日常生活雑貨の集積地となっています。1978年、改革開放政策が実施されてから、義烏市はいち早く日常生活雑貨の生産と販売に取り組み始めました。この結果、繊維製品、アクセサリー、ファスナー、玩具、金物道具、印刷などの業種が非常に強い競争力を備えるようになり、世界的にも有名になりました。義烏市内には、3万5千軒もの日常生活雑貨の店があり、一日の顧客の数は16万人にも上ります。また、このほかにも、国の内外から4000社がここに事務所や代理店を設け、そのうち海外からの企業は四分の一の1000社以上にも上っています。毎日、義烏市で取引されている商品は、中東、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、日本など200あまりの国や地域に輸出されており、2000年の輸出総額は80億人民元、日本円でおよそ1200億円に達しています。
この義烏市で、中心となっているのが、義烏市最大の日常生活雑貨の卸売りをしている国際取引センターです。このセンターの営業 面積は50万平方メートルで、店舗が2万7千軒も入っています。
このセンターにアクセサリーの店を出している女性経営者余さんに話しを聞きました。
この店に来る日本のお客さんが多いですかという質問に対して、余さんは、「日本の会社からは、一ヶ月に10社以上から注文が来る。中小企業もあれば、大手の会社がある。日本のお客さんは常連客だから、いつもこのセンターではなく、直接に私どもの会社に行って、注文します」と話しました。
常連客は直接会社のほうに行って、注文するのでしたら、ここの店は、どんな役割を果たしているかという質問に対して、余さんは、「ここのブースは、企業の窓口になっており、展示、商談、注文を受けるという3つの役割を果たしている。大体、初めてのお客さんは、ここで取引して、商品を持ち帰る」と語りました。
義烏市の商品は日本の百円ショップでよく売られていることは知っていますかという質問に対して、余さんは、「知っているよ。毎回、日本から大体数十万元の注文が来るから。数にすれば、およそ10万個のアクセサリーが販売できる。商品一個の値段は4元から6元、日本円にして60円から90円だ」と答えました。
工場の規模はどのくらいなんですかについて、余さんは、「従業員は800人だ。このブースでは、私のほか4人がここで働いている」と答えました。
ここでの仕事は、午前の何時から、午後の何時までですかという質問に対して、余さんは、「午前の8時から始まり、午後の5時半までだ。原則として年中無休だが、ただ、正月の時に10日ぐらい休業する。開店時間と閉店時間はこの取引センターの決まりで行っている」と話してくれました。
取引センターの係員の話しによりますと、この国際取引センターは主に、外国との取引がメインとなっており、一日8000人ぐらいの外国のビジネスマンが来ます。そしてここの商品は212ヶ国に輸出されているということです。(文/取材:任春生)
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