遼寧省瀋陽市の第161中学校1年2組には、韓子新という生徒がいます。15歳の青春時代にもかかわらず、尿毒症にかかっているので、同年代の生徒のように毎日教室で勉強することが出来ません。学校に通うという当たり前のことは、彼にとって叶わない夢です。韓君の願いを叶えるため、このほど、韓君の母校は、彼のために、特別な音楽の授業を用意しました。
リスナーの皆さんが今お聞きになっているのは、瀋陽市第161中学校の音楽教室から流れてきた歌声です。先生1人生徒1人の授業で、最初は恥ずかしがっていた韓子新君も、やがては美しいメロディーに魅了されるようになりました。
『先生に感謝します。これは、待ち等しい夢でした。やっと叶いました。できるだけ早く病気を治して、学校に戻りたいです。これで、助けて下さった人たちに借りを返せます』
去年の夏頃、韓子新君が小学校から中学校に進学しようとした時、尿毒症にかかっていることが分かりました。それ以来、韓子新君は、体調が悪くなり、今は毎週2回透析治療に通っています。
毎日、韓子新君は、お母さん、「いつになったら治るの。いつになったら学校にいけるの」と聞きます。午前9時半になると、「もう学校の体操時間だ。僕は家で体操をやるよ」と言います。
韓子新君の願いを叶えるために、瀋陽市第161中学校は、韓子新君に特別に音楽の授業を用意しました。韓子新君は自分が学校に行けると分かると、大喜びしました。そして、朝早く起きて新しい制服を着て、学校に行きました。
授業を担当した周麗紅先生は、この特別な授業についてこう語りました。
『今、私は大変感動しています。病気になった私の生徒のために、何かできればとても幸せです。彼が教室に来て、私の授業をうけるのは、私にとってこれ以上嬉しいことはありません。私たちは、すべてが良くなるに願っています』
韓子新君が学校に来ると聞いて、これまで一緒に授業を受けたことがないクラスメートもカードを準備しました。カードには心を込めた励ましやいたわりの言葉が書いてあります。彼らにとっても、韓子新君と一緒に授業を受けるのが望みです。
韓子新くんには、両親が自分のことで辛い思いをしていることが分かります。そんなことから、病気で体が痛んでも、4、5時間動かずに治療を受ける時でも、「痛い」と泣き出したことは1度もありません。
授業のなかの歌では次のように歌われています。「私たちが知り合いかどうかにも関りなく、目の前にいるか天の果てにいるかも問わず、私たちは同じ願いを持っている」。
韓子新君が1日も早く回復して、学校に戻れるようお祈りしています。(朱丹陽)
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