サッカーWカップの熱気が溢れる6月、中国では経済の動きもWカップの強い勢いに負けていません。Wカップの魅力が確かに全世界のサッカーファンを魅了しています。でも、Wカップの見所は90分間の試合だけではなく、それに伴う経済効果も見逃せません。
イギリスのロンドン経済商業研究センターがこのほど、2006年サッカーWカップに関する経済予測報告を発表しました。それによりますと、今年のWカップは32の参加国と参加地区に、130億ポンドの経済効果をもたらすということです。人民元に換算すると1880億元ぐらいで、日本円にしたら、およそ2兆8千億円ですね。そのうち、113億ポンドはヨーロッパの国と地区に流れ込むと見込まれています。つまり90%近くの経済効果がヨーロッパに取られてしまうことになりますね。
予測によりますと、ホスト国のドイツが74億ポンドの経済効果を得るのをはじめ、イギリスは13億ポンド、フランスは12億ポンド、イタリアは7億ポンドの経済効果がある見通しです。時差の影響で、生中継を見る人が少なく、アジアの経済効果が一番少なく、20億ポンド、つまり4千億円ほどと見られています。
でも、経済効果がある一方で、経済損失もあるんですよ。前回2002年のWカップ期間中、試合を見るためにサッカーファンたちが仕事をサボったりしたため、ヨーロッパでは60億ポンド近く、およそ1兆2千億円の損失を招きました。また今回の大会に関する先程の予測では、経済発展が比較的遅れており、かつ熱狂的なサッカーファンが多いラテンアメリカでは、Wカップ期間中、3億ポンドの損失がもたらされる見通しだということです。
確かに中国でも、徹夜でWカップの生中継を楽しんでいるサッカーファンが少なくないですね。翌日の仕事には影響を与えるかもしれませんが、まあでも、4年に一度の楽しみですから、会社のほうも大目に見ているようですね。
ところで、最近、中国の通信会社、中国移動(チャイナモバイル)の北京支社・北京モバイルが、世界共通仕様の携帯ユーザー(全球通)のドイツから中国にかける場合の通話料を、これまでの1分間当たり18.15元から4.99元まで値下げしました。70%の下げ幅は中国モバイルの国際通話料における最大の値下げ幅となります。これはWカップが中国のサッカーファンにもたらしたプレゼントとも言えるでしょうか。(劉叡琳)
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