今、世界の注目を集めているエネルギー問題です。中国国有資産監督管理委員会は4日、「今年の1月から4月までの期間、国有重点企業454社の生産・経営状況は好調で、販売、輸出とも急速な伸びを示した。特に石油・石油化学企業は利益が去年の同じ時期より28.3%増の993億4千万元に達し、過去最高を記録した」と発表しました。
ここ数年、経済成長と共に、エネルギーに対するニーズも消費量も、大きくなっていますから、石油関連企業の利益が増えることは当然と言えるかも知れませんね。企業にとっては嬉しいことでしょうが、でも国全体の問題として考えると、エネルギー需要の急増はエネルギーの供給に大きなプレッシャーをかけ、需要と供給のアンバランスが長期にわたって存在していくことになりますね。
エネルギー問題は、国の安全にもかかわる重要な問題です。政府は省エネ、エネルギー消費の減少をエネルギー戦略の最も重要な位置において、一連の対策を講じています。「第11次五カ年計画」では「資源節約型社会の構築」を提唱し、「第11次五カ年計画」の期間中にGDPの単位あたりのエネルギー消費量を20%減らすことを目指しています。
まずはエネルギー供給の多角化戦略があります。例えば、新しいエネルギーの開発に力を入れること。石油の輸入先を多様化することもその一つです。中東からの石油輸入のほかに、ロシア、中央アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの地域からの石油輸入の割合を引き上げようとするものです。この他には、石油備蓄基地を建設することもあります。
2004年に、中国は最初の4ヵ所の戦略的石油備蓄基地の建設計画を策定しました。今、浙江省鎮海市の石油備蓄基地がほぼ完成しており、2006年末には運用が始まります。他の3ヵ所は来年または再来年に完成する予定です。
中国は世界で2番目のエネルギー生産国であると同時に、2番目の消費大国でもあります。一方エネルギーの埋蔵量は大きいものの、1人当たりにすると、世界平均レベルの50%にも達しないということですね。エネルギー問題、中国だけではなく、世界経済を悩ませる大きな問題ですから、その成り行きには目が離せませんね。(劉叡琳)
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