今、中国人もロボットを使って6000メートルの深さの海底を探査したり、北極海の海底を撮影したりすることができます。このロボットを設計したのは王天然さんとその研究グループです。
現在、瀋陽新松ロボット自動化株式会社の社長を務める王天然さんは、1967年ハルビン工業大学自動制御学部を卒業し、コンピューター研究一筋でやってきました。1982年から85年までの2年間、学者としてアメリカのカーネギー財団所属のメロン大学に招かれた経験があります。今年65歳になる王さんは、当時のことについて、「70年代末から80年代初期に、人工知能やロボット研究に誘われたので、私はこの研究に参加し、ロボットや人口智能研究のため外国に行きました。帰国してから主に制御システムの分野を担当しました。それにはロボットやオートメーションも含まれています」と、振り返りました。
この21年間、王さんはロボットや大型自動化システムの重要な技術を完成させただけでなく、ネット化や開放型の工業ロボット制御システムも設計しました。
それと同時に、世界の進んだレベルに達する多くのロボットも開発しました。これらはいずれも知的所有権を持っており、中国のこの分野における空白を埋めました。これらロボットについて、王さんは、「海底ロボットですが、もともと私たちはこのような手段がなかったのです。今はもう状況が変わっています。深さ6000メートルの海底をケーブルなしでロボット探査することができます。工業用ロボットの用途はもっと広いです。最も典型的な例として、塗装の場合工業用ロボットが役立ちます。例えば、マイクロバスの車台を溶接するときは、人が行うのは難しい作業です。ロボットなら簡単にでき、その付加価値が大きいです」と紹介しました。
王さんが率いる研究グループが開発した多くのロボット応用技術は、現在、自動車、モーターバイクの製造、電気製品の組み立てや、無人搬送車の組み立てラインなどで幅広く応用されています。
王さんは、この成功を手にしても次のことを忘れてはならないと話しています。「開発に携わる研究者として常に現場に入って、企業の需要を把握しなければならない。これこそが生産過程の重要な技術やロボット応用の問題を解決することができる。そして、自力開発が何より大事だということを、長い経験から悟った」。
「私はとても自力で開発することが大事だと思っています。わが社が開発した無人搬送車は移動ロボットの一種です。この車は国内で唯一わが社が知的所有権をもっています。進んだ技術は外国専用のものではありません」と、自信満々です。
遼寧省2005年度科学技術勲章を授けられた王さんは、今後も、より多様な中国産ロボットが世界で活躍できるよう、開発を進めるつもりです。(担当:朱丹陽)
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