遼寧省本渓市ジャガイモ研究所は、ジャガイモ研究で国内のリーダーシップを取っているだけでなく、世界でも先端を走っています。今日のこの時間はこの研究所についてお伝えしましょう。
本渓市ジャガイモ研究所は1979年に立ち上げ、遼寧省のジャガイモ研究の中心地になっています。主に農業実用技術の研究や、ジャガイモの新品種の育成と高生産性栽培技術の普及に力を入れています。80年代、この研究所は、ジャガイモの無病害生産と優良品種開発システムの課題に取り組んでいました。全国14箇所の研究所と共同研究開発で、剪定栽培という新しい技術を開発しました。これについて、定年した曲仁山元所長は、「ジャガイモはウイルスに感染されると、生産高が年々減少します。しかし、ウイルスを取り除けばウイルスに強いジャガイモに戻ります。私たちが開発したのは、この新ジャガイモの繁殖をいかに早めるかということです。剪定栽培とは、ジャガイモの芽を切り取ることで、一年中に一個の種芋から数十万のジャガイモを獲ることです」と紹介しました。この技術は世界的な発見で、中国だけでなく、多くの国々でも取り入れられています。
90年代に入って、この研究所は国の状況に似合う優良品種、特に国際的に進んだ加工用品種の開発に力を入れるようになりました。1992年と96年は、それぞれ国家級品種「早大白」と「ユーキン」を、2005年は早生と、生産性の高い「富金」を作り出しました。
このほか、外国の業者とも頻繁に交流しています。曲仁山元所長は、「インドネシアと2年間業務提携したほか、フランスやデンマークとも交流しています。この間アメリカや日本からの専門家も見学に来て、われわれの独創性を認めてくれました。それに、農家が取り入れやすく、実用性も大きいと褒めてくれました。韓国との交流はもっとも進んでいます。このジャガイモは利益が大きく、備蓄にもよいことから、韓国は研究員を派遣する意向を示しました」と、語りました。
2004年、遼寧省科学技術庁に、科学技術貧困撲滅モデルとされたこの研究所は、遼寧省科学院の生物教育実験拠点にも指定されました。これについて王朴所長は、「ジャガイモ産業は現在好調です。ジャガイモを利用した食品は人々に認められています。われわれの研究所はジャガイモ産業の研究に取り組んいきます。研究の成果から生産化に進み、農家の生活レベルアップに貢献していきます」と、展望しています。
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