日本のリニアモーターカーの研究は、中国より大分前から研究を進めているんです。今、日本では、リニアの研究そのものは1960年代から始まり、実験線を作って有人走行、人を乗せて走ったときですが、時速600キロ近い速度を記録したこともあります。また東京と大阪を1時間で結ぼうというリニア新幹線の建設も、国の新幹線鉄道整備法という法律にすでに盛り込まれているのですが、莫大な建設費用がかかるので、まずは今の新幹線を全国に張り巡らせることのほうが先決だという声のほうが強く、建設されるのかどうかも分からない状態です。
愛知万博の時は、会場までのおよそ9キロほどの区間にリニアモーターカーを走らせ、大変話題を呼びました。利用者も大会期間中は1日平均で13万人にも上ったという事です。ただしこのリニアの速度は時速100キロ程度ですから、新幹線を上回る高速鉄道というイメージからは、かなり遠いですね。
万博が終わった後は地元の自治体と民間企業が資金を出し合って共同で営業運転を続けているのですが、利用者は予想を大幅に下回りました。1日平均の利用者は1万人前後にまで減って、如何に利用者を増やして経営状況を良くするかに頭を痛めているということです。
リニアモーターカーを成功させるためには、建設コストを如何に下げるかということと、利用客を如何に確保するかが大事だということです。ただし中国の場合は、日本と違って国土が広いので、高速鉄道網を早急に作り上げなければならないという切実な課題がありますね。また低成長期に入った今の日本と違って、高度成長期真っ只中という時期ですから、リニアモーターカー建設に対する力の入れようが大分違うなと私は感じています。私も日本と行き来をする時に是非リニアに乗ってみたいなと思っていますので、上海の次の計画、万博会場までのリニアが実現する事を期待したいと思います。(終わり)
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