雲南省シーサンパンナ州景洪市ジーヌオ族郷のバーカ小学校の教師バオブルさんが全国人民代表大会の代表に選ばれました。今年はじめて会議に出席したため、提案などは用意していません。ただ、「バーカ小学校を建て直してほしい」という思いを抱いています。
「小学校は、山に建てられた。143人の生徒に14人の教師がいる。学校は十数年前に建てられたから、今はぼろぼろ。子供たちの宿舎が足りず、3人の一年生が一つのベッドに寝ることもよくある。夏は蒸し暑く、冬は寒くてたまらない」・・・バオブルさんは小学校の現状をこう語ります。ただジーヌオ族の子供たちは、学校生活を楽しんでいるようです。バオブルさんは、子供たちが学校の今の様子と理想の学校のイメージを書いた絵を大切に持ち歩いています。また、会議期間中、同じくこの学校の教師の奥さんから毎日のように電話をもらい、生徒たちの話を聞きます。
北京に来て、万里の長城を登ったり、国旗掲揚やオリンピックの競技場を見学したりと、とても充実しています。たくさん写真を撮って、子供たちに見せるつもりだそうです。
ちなみに、ジーヌオ族の人口はおよそ2万人です。主に雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州景洪県のジーヌオ郷とその近隣の山間部に住んでいます。ジーヌオ語は漢・チベット語系のチベット・ミャンマー語派、イ語分支に属しています。自民族の文字は持っていません。 ジーヌオはこの民族の自称であり、かつて史籍文献のなかでは「攸楽」と漢訳されていました。ジーヌオ族の先祖は、諸葛孔明の南下する軍勢の一部で、プーアルや墨江、あるいは更に遠い北方から移住してきたといわれています。(文:藍暁芹)
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