中国、日本、韓国の3カ国は地理的に近いだけでなく、多分野にわたって深いつながりがあり、古くから密接な関係を保ってきました。
そして1980年代、中国では「赤い疑惑」をはじめ、日本のテレビドラマや映画がたくさん上映されました。それらの作品はいずれも好評を博し、当時、日本ブームが起きました。
90年代後半に入ると、韓国のドラマが中国に進出し、とくに2005年ころ上映された時代劇「チャングムの誓い」が高い視聴率をあげました。加えて韓国の音楽も中国に入ってきて、日本と同じく、いわゆる「韓流」が起きました。
それと同時に、中国のドラマや歌なども韓国・日本で公開され、「華流」も起こったといわれています。
ここ数年の新しい動きでは、テレビドラマと映画を"輸入"するだけではなく、それらの共同制作が目立っています。中国と韓国が合作したドラマ「北京、マイラブ」、中国と日本が共同で作った映画「夜・上海」など数多くの作品で、作り手や役者の共同作業が行われ、様々な方法での協力が実現しています。
かつて、3カ国の文化交流は政府主導のものが多かったのですが、近年は、民間の交流が盛んに行われています。
韓国の劇団チャンゲックの監督、キム・ジョンヒさんによりますと、劇団は十数年前から、中国、日本との交流に取り組んでいるそうです。これまでは地元で公演を行うのがメインでしたが、今後は、新劇などを他の2つの国と共演する計画もあるそうです。
そして先月、中国で開かれた第9回アジア芸術祭では、中日韓3カ国の文化交流が重点となりました。期間中、3カ国の文化相フォーラムが開かれ、民間の文化交流を支援するため、政府間の協議によって文化交流の拡大に向けた政策を打ち出すことが決められました。
「政府間の対話により、民間団体の交流も、間口をより広げることができます。このような文化交流は、中国・日本・韓国3カ国の関係発展の基盤を固めたといえるでしょう。文化交流が進めば、経済や社会などの分野での協力も拡大すると思います」(孫家正・中国文化相)
このように、政府と民間が力を合わせて文化交流を積み重ねていけば、中日韓3カ国の国民の間で、心と心の触れ合い、世代から世代にわたっての友好が生まれるに違いないと思います。(鵬)
|