主に19世紀に朝鮮半島から中国の東北地方に移住してきた朝鮮族。総人口はおよそ192万人(1990年の国勢調査より)。その多くは吉林省に住んでおり、一部は、黒竜江省や遼寧省、内蒙古自治区で暮らしています。
朝鮮族は、一年中、様々な祝日を持っていますが、その中に、旧暦の6月15日に催す行事、「流頭節」があります。今年2月、黒龍江省政府から無形文化財に指定されました。
「流頭」は、「東流頭沐浴」に由来したもので、「東へ流れる水で髪を洗う」という意味です。水は、命の源であり、汚いものをきれいにする浄化力も持っています。また、東という方位は、陽気が最も旺盛だとされ、豊穣と繁栄の象徴です。この習慣は、朝鮮半島の新羅時代から始まったと言われています。
この日、きゅうり、瓜などの初物を収穫し、うどんや餅を作って、お堂に供えて祭祀を行います。そして、東へ流れるきれいな川で髪を洗い、特別な料理を作って食べます。
旧暦の6月15日は、今年、7月28日に当たります。黒龍江省寧安市渤海鎮江西村の体育広場では、村人のほか、近くの村の朝鮮族や漢民族の人々も駆けつけてきて、あわせて4千人余りが集まり、「流頭節」を盛大に祝いました。
江西村の関係者は、「村は、昔の農耕時代から多様な生産様式を持つ新しい時代に入り、豊かになった。しかし、昔ながらの風俗習慣を守っていくことも重要だ。今後も、毎年『流頭節』を祝いたい」と話しています。(編集:ラン)
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