主に青海省東部の山岳地帯に住んでいる中国の少数民族の一つ、土(トゥー)族。毎年旧暦7月12日から9月15日(今年は、8月24日から10月25日)にかけて「ナードン」というお祭りが行われます。
「ナードン」は、土族の言葉で、「遊び」、「娯楽」という意味です。青海省民和県三川地区の土族の独特な祭りです。旧暦の7月に行われるため、「七月祭り」とも言えます。二ヵ月以上も続くので、世界で最も長いカーニバルとされています。2006年5月20日、国の無形文化財に認定されました。
旧暦の7月は、三川地区の収穫のシーズンです。果物の香りが漂い、収穫された穀物は、倉庫に入ったばかり。今年の豊作を祝い、来年の豊作を祈というのが「ナードン」の目的です。
「ナードン」の前日には、人々が村のお寺に行って、信仰している「二郎神」を迎えるため、神輿を担ぎます。ドラを叩き、爆竹を鳴らしながら、一行は、「ナードン」の主会場となる空き地に向かいます。皆は、祭壇で羊や鶏などを献上して、式典を行った後、人々が分け合います。
空き地には、100人あまりが収容できる白いテントが建てられています。そして、空き地の四つの角に、金、木、水、火、を代表する方位にそれぞれ一本の棒が立てかけられ、黄色と白の旗が挙げられます。空き地の中央にある棒は最も高く、先端にかかっている赤い布は、直径50センチのマント。その下には、色とりどりの紙の旗です。
いよいよ「ナートン」の初日。太鼓が響くなか、「会手舞」が始まりました。笛など楽器や三角の旗と古代の兵器を手にした村のお年寄りたちがリードして、その後ろに、年齢順で並ぶ若者たちは、旗を掲げたり、銅鑼を叩いたりして、踊りながら数百人が会場に入ります。神様に向かって、村の名前と人数などを読み上げ、今年の豊作を報告する儀式を行います。
その後、地方劇を披露。内容のほとんどは歴史物語で、出演する人は、すべて仮面をかぶっています。その中で、必ず披露されるのは、農家で野良仕事に専念するよう子供を教育する物語、そして山の王がお化けを打ち負かす伝説です。
「ノードン」の最後の日に行われる儀式は、「ファラの踊り」です。ファラとは、男性の巫子で、その踊りで、厄を払い、来年の豊作と無病息災を祈ります。(編集:ラン)
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