
"六月六"は、旧暦「6月6日」のことで、今年は西暦の7月19日に当たります。ブイ族にとっては、お正月に次いで盛大に祝うべき祝日です。この日を前に、村の人々は、白い紙で作られた三角の旗に鶏や豚の血を付けて、畑に挿す習慣があります。そうすれば、「イナゴの被害から農作物が守れる」という言い伝えがあるからです。"六月六"の朝、村の長老たちは、若者を率いて先祖を祭った後、家々を回り、鬼払いの儀式を行います。その以外の村人は、美しい民族衣装を身にまとい、もち米で作ったご飯やお肉料理、お酒を抱えて、集まります。そして歌ったり、踊ったり、ご馳走を食べたりして、楽しいひと時を過ごします。「お肉を分け合う時間ですよ!」と、村から呼び声が聞こえると、各世帯から一人ずつが村に戻り、お供えのあとの牛肉を一戸分、もらいに行きます。

"六月六"の由来については、様々な言い伝えがありますが、その一つは、ブイ族の先祖とされる「盤古」に関わるものです。昔々、盤古は、水稲を栽培する技術を習得し、毎年、その水田は豊作でした。そして盤古は竜王の娘と結婚し、子供にも恵まれました。ある日、新横と名づけられた息子は、母親を怒らせてしまいました。それがきっかけで、竜王の宮殿に帰ってしまった母親は二度と盤古のところに戻りませんでした。盤古は、仕方なく、後妻をもらったのです。ある年の六月六日、盤古は他界しました。父親を亡くした新横は、後妻に虐待され、命を落としそうになりました。新横は、天道様の前で訴え、後妻が栽培している稲の苗を破壊すると誓いました。ここまでされて、後妻はとても後悔し、新横と和解しました。それから、毎年、盤古がなくなった6月6日には、先祖を祭り、豊作を祈る行事を行うようになったということです。

今年の"六月六"は、例年と違って、5000元の賞金が出る「恋歌」比べが行われました。95組のカップルが出場し、「愛」の歌で競い合ったということです。(編集:藍)
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