天安門広場を背にして、前門の通りを南に車で20分ほど走ると、左側に北京自然博物館が見えてきます。解放後、北京には歴史博物館、革命博物館(今の国家博物館)、軍事博物館などの国家級博物館が建てられましたが、自然博物館もその一つです。この博物館は、解放後まもなく、1951年に中央自然博物館として、故宮の片隅に準備室が作られ、1958年に今の場所に建てられました。総面積2万4000平方メートル、展示スペースは8000平方メートルの大型自然博物館です。「自然」と名がついた博物館は、上海、天津、大連にもありますが、収蔵点数は20万点を超え、このうち、常時展示されているのは2割ぐらいで、全国の自然博物館のリーダー的役割を果たしています。
館内は古生物、植物、動物、そして人類と、4コーナーに大別されています。そのほかに「恐竜世界」や「水生生物館」などがありますが、なんといっても目を引くのは、体長26メートルと推定される恐竜の骨格の展示です。
これまたすごいのは、巨象・マンモスのキバです。約1万年前に生息していたと見られ、雲南省で見つかったものです。これら古生物のコーナーには、タッチパネルが置かれており、それぞれの動物の歩みが分かりやすく解説されています。
入館者は年間50万人くらい。ここの恐竜はこれまで、アメリカ、韓国、日本など10カ国でも展示されています。館のスタッフは140人もおり、管理部門だけではなく、研究員や解説員は社会教育の役割も担っています。
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