今回の「中国民族音楽」は、中国有名なテノール歌手・李双江が歌った新疆ウィグル自治区の民謡を特集します。
いまや、中国では誰でも知っている有名な民謡歌手になった李双江。彼は1970年代に映画「(赤い星が輝く)」の主題歌で一躍有名になって以来、中国音楽界で30年間もの間活躍しており、今や重鎮と呼ばれています。
では、まずお送りしますのは、「達坂城的姑娘(ダバン城の娘)」という歌で、李双江がウィグル族の民謡を元にアレンジしたものです。
M「達坂城的姑娘」
李双江は1963年に優秀な成績で中央音楽学院を卒業した後、新疆ウィグル自治区歌舞団に入りました。新疆ウィグル自治区は中国西北部に位置し、ウィグル族、カザフ族など15、6の少数民族がおり、彼らはこの新疆の大地で多彩な西域文化を生み出しました。李双江は、この地区で10数年間、多くの少数民族生活を共にし、各民族に伝わる音楽を吸収してきました。
次にお送りしますのは李双江が歌ったカザフ族のラブソング「我的花児(私の花)」です。この歌はこれから恋人へ告白しに行こうとしているカザフ族青年の気持ちを描いています。
M「我的花児」
李双江は西洋の発声法と中国の伝統的な歌唱テクニックを融合し、数年間の努力を経て、民謡の新しい概念を作り上げました。1980年代から李双江は音楽理論の研究と教育活動に力を入れています。中央音楽学院の客員教授に任命されました。またシンガポール芸術学院の声楽教授も兼任しました。そして、多くの若い歌手を養成してきました。
では続いてお送りしますのは李双江が歌ったカザフ族のラブソング「都他尓和馬利亜(ドタルとマリア)」です。
勇ましい青年イワン・ドタル、
今夜、我が家に来て
月上る時、木の下で、
あなたと私、ドンブラで心の唄を唄う
M「都他尓和馬利亜」
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