今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。
みなさんは、漢方薬剤の何首烏(かしゅう)をご存知でしょうか。何々の何と首に烏とかいて「かしゅう」と読みますが、本を見てみますと、何首烏は、タデ科ツルドクダミの塊状の根を乾燥したものを薬用とします。味は甘苦く、温性です。コレステロール増加の抑制、動脈硬化の抑制、抗ウイルスの作用、副腎皮質ホルモン様の作用、神経系の興奮作用、強壮作用と緩下作用などがある、とまあ、難しいことが書かれてありました。でも、この林涛が知っているのはこの薬は髪の毛を黒くするということだけけです。で、薬剤の効き目の話はこれぐらいにして、この時間は、「客窓閑話」という清代の呉熾昌という人の書いた本から「何首烏」というお話、それに、唐の時代の「宣室誌」から「うずくまった男」をご紹介しましょう
まずは、「何首烏」(何首烏)
「何首烏」
漢方薬剤の何首烏は、多くが山や川、あるいは湖などに産するといい、一部は人の住むところにも産すると言う。それに一部の何首烏の形は人間に似ているものが多く、人間の精気を受けて魂なるものが宿り、勝手に動き、姿を現したり消えたりするという。このような何首烏はほんとに珍しく、もし手に入れて口にすれば仙人になれるといわれていた。
これはかなりむかしのこと。何という一家がいて、そして夫婦と息子夫婦の四人暮らしだった。夫と息子は一年のうち半分以上は外で働き、家では姑とその嫁が機を織り、できた布を少しの金に換えて日々をしのぎ、機織りはいつも夜半まで続いていた。
と、ある秋の月夜。家の中で機織りをしていた嫁は、庭から小さな子供が話す声が聞こえたので、姑にいう。
「お母さん、庭に誰かいますよ」
「ええ?庭に」
これに姑は、怪訝な顔して耳をすまし、本当に子供の声が聞こえたので、二人は何だろうと庭に出てみたが、誰もいない。気のせいだと思って二人が家に入り機を織り始めると、また同じ様な声が聞こえてくる。
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