今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。
いま、北京は五月一日のメーデーの連休中。この林涛は七日間の連中はもらいないので、休みが取れた日は、といってもまだうちが改修が全部終わっいませんので、休みの取れた日は臨時の仮住まいで、のんびり。もちろん、うまい肴にうまい酒は欠かしません。
皆さんはいかがおすごしですか?
で 、今日のこの時間は、清の時代の沈起凰という人が書いた「諧鐸(かいたく)」という本から「ありがとう、イタチ」というお話、「閲微草堂筆記」という難しい名前の本から「農民と髑髏」、そして「子不語」から「新しい靴」という三つのお話をご紹介したしましょう。
最初は「諧鐸」から「おりがとう、イタチ」です。(達士報恩)
「おりがとう、イタチ」
劉公は、幼いときに両親を失い、若いころは家計が苦しく、学問はあったものの、東村のある祠の近く設けられた塾で読み書きを教えていた。
ある日の正月近くに、劉公が久しぶりに町に住む姉の家に行った。そして、土産にと姉から一羽の鶏をもらったので、劉公は東村に戻り、大晦日にこれを食べようと、さっそく鶏をつぶしてうまいもの作り始めた。
ところが、このとき、劉公のある教え子の家では鶏が盗まれたので、普段から貧乏な先生だと劉公を馬鹿にしているこの教え子は、劉公が家で鶏料理を作ったとどこからか耳にしたあと、なんと自分の家の鶏を盗んだのは劉公らしいと言いふらした。こうして数日後、みんながどうも自分に隠れてうわさしていることに気がついた劉公が、人に聞いてみると、たいていは話を濁したり、知らん顔をするが、中には正直なのもいて、普段から劉公を敬っていたある生徒が、先生をだましてはいけないとうわさの内容を劉公に話した。
これを聞いた劉公は「なんと言うことだ!」とおこり、さっそく翌日に塾の生徒の親たちを塾に呼び集め、三国志の英雄である関羽を祭るかの祠にきてもらい、みんなの前で線香を焚いて関羽の像に誓った。
「もし、この劉公が恥知らずなことをしたなら、あなた様の祠を出るときにひっくり返ります!」とね。
ところが、劉公が誓い終わってこの祠を離れようとすると、なんと怒りのために動きが速く、気をつけなかったためか、着ていた長衣(ながぎぬ)の裾(すそ)が門の出っ張ったところに引っかかり、劉公はその場で転んでしまった。
これにはみんながどっと笑い、「鶏を盗んだのはあんただ!」と口をそろえていう。
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