第18窟は仏像が最も豊富な早期の洞窟です。主な仏像は15.5メートルと高くて、左手は胸に置いて、右手は垂れています。特に仏像が纏った袈裟に数多くの小さな仏像が彫られているのは、世界でも珍しいものです。大仏の表情は落ち着いており、目つきに深い智恵の表情が現れています。両側の弟子はさまざまな表情をしており、お釈迦様が教えたことをちゃんと理解しているように見えます。弟子の迦葉の顔は彫りが深く、鼻筋がスッと通っており、西域の人の特徴を持っています。そして清めの瓶を提げる少女はやさしく見え、冠をかぶった菩薩は端正で麗しい表情をしています。各石像の異なる手振りはそれぞれ奥深い意味を象徴しています。洞窟全体の配置は合理的で、技法は独特の特徴をもっています。
雲崗石窟の早期の彫刻技法は彫った線で服の模様を表現しているもので、石像の服は薄く透き通った感じがあります。早期の彫刻は統一性を重んじる手法をとっていたので、鮮明、正確、壮観なイメージを与えます。これは中国古代の秦、漢時代からの彫刻技法を引き継いだものです。
第20窟は前壁の上の部分と西壁の一部が崩れたため、真中の座像と右側の立像が外に出ているので、ここのお釈迦様の座像は「露天大仏」としてよく知られています。仏像の足が風化し、手も崩れているにもかかわらず、その荘厳さはやはり礼拝者と観光客を引き付けています。この露天大仏は高さが13メートルあり、その顔と服は明らかに外国の影響を受けています。頭の中央部に髷のように少し丸く盛り上がった部分があり、耳が肩にたれ、目が深く鼻が高く、眉が細長いです。八字型の髭を蓄え、唇はちょっと上に反っており、穏やかな表情をしています。これら凡人と違う特徴から、仏様の超自然の力と神秘的な雰囲気が感じられます。
袈裟を纏った座像は右肩を露出し、彫刻の効果から見ると、服の質はウール製に見え、肩に法衣をかけています。これらの特徴は当時のインド西北部、パキスタン北部そしてアフガニスタン地域の仏像に似ています。でも、大仏のスッと伸びた体と広い肩は当時の中国北方の遊牧民族??鮮卑族の特徴を現したものです。豪快な表現手法は石像に活力を注ぎ、露天大仏はその雄大さと芸術的な魅力で、雲崗石窟の代表作となりました。曇曜の五窟は雲崗石窟を造営する幕を開ける、画期的な意味を持つ代表作です。
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