劉索拉は中国の「先鋒派」と呼ばれる現代女流作家です。1955年、北京で生まれました。4才でピアノを習いはじめ、小学校4年生の時、「文化大革命」を経験。中学生時代は下放され、江西省の「五七幹校」にて農業に従事しました。1年後に帰京し、引き続き中学校に通い、卒業後は父母の勧めで高校を受験しましたが失敗。仕事を割り当てられるすべもなく、無職となりました。その後、中学校で非常勤の音楽教員をし、正教員となった後は、北京市少年宮のピアノ伴奏教員に配属されました。
1979年終わりに再び、中央音楽学院作曲科に入学し、中国の著名作曲家、杜鳴心教授に師事しました。主要な作品は:ピアノ変奏曲『寒山鐘声』、ピアノソナタ「詩経組曲」、女声曲「山鬼」、及び交響詩「劉志丹」などです。このうち、ピアノソナタ「詩経組曲」は、中央音楽学院ピアノ学科主催の中国ピアノソナタ作曲コンクールで受賞しました。
1983年に中央音楽学院を卒業後、中央民族学院の音楽科教員に配属されました。そして1985年初め、中編小説『君には他の選択はない』を発表した後は、国内文学界の注目を集め、中国作家協会北京支部に転属し、創作活動に従事するようになりました。現在は北京市作協会員であるとともに北京市作協合同制作家でもあります。文字による創作以外では、流行音楽も手掛けています。また、映画や演劇のBGM、そして自ら作曲し、歌った流行歌のアルバムを2作品、発売しています。
自分の文学創作のことについて、彼女は次のように話しています。
「私が作家活動をはじめたのは、遊び半分でした。大学卒業後は二度とものを書くつもりはありませんでしたが、何人かの作家の方々と出合い、賭けのつもりで初の中編小説『君にはほかの選択はない』を書いたのです。この小説を書くにあたって、中国の新しい音楽と新世代の作曲家を文字によって描き、作曲家や作曲とはどんなものであるかを、より多くの人に知らしめようというのが主な意図でした。
後に書かれた『青い空緑の海』、『キング・オブ・シンガーを求めて』は、流行音楽と民間音楽の感覚を生かしたものです。これらはすべて純粋に音楽から受ける直感によって書かれ、論ずべき創作経験などはありません。しかし、音楽の旋律や構成をもちいて文字を連ねていくというのは、非常に興味深いことですので、私も試みにやってきたのですし、ほかの人も試してみるとよいと思うのです」
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