
中国の民族音楽は長い伝統と文化にはぐくまれてきました。56の民族が集まる中国ではその多様な歴史と伝統から生まれた、独特の楽器、リズム、音色が民衆の生活に根づいています。中国の民族音楽(伝統音楽)は、長い歴史における民族の興亡、東西交流の中で独特の発展を遂げてきたのです。
いまでは音楽を通じた文化の交流がますます重要視されています。最近話題になっているのは去年末日本で公演された中国放送楽団のコンサートのほか、今年の1月、オーストリアのウィーン音楽ホールで開かれた「映像江南」と題する新年コンサートです。このコンサートは中国で有名なお茶の産地、また中小企業の発展がすさまじい中国東南部の沿海地域ーー浙江省民族楽団の演奏で、ウィーンで大成功を収めました。
2006年1月、浙江省民族楽団はスイス、オーストリア、ドイツなど5ヵ国で「2006中華の風情」と題するツアーコンサートを行いました。これらの国の歴史文化都市でのコンサートは数万人の外国の観客を魅了し、西洋の音楽界を驚かせました。

浙江省民族楽団は、1957年に発足し、江南地方の地域の特色を持つ楽団でもあります。50年来、この楽団から多くの著名な芸術家が誕生しました。例えば、笛の演奏家の趙松庭さん、簫の演奏家の宋景廉さん、打楽器の演奏家の銭小毛さんです。長年来、楽団は民族音楽の発掘、整理、研究と発展に力を入れ、多くの中国の民族風情と浙江省地域の民族楽器作品を創作しました。例えば、「将軍得勝令」「漁舟凱歌」「水郷舟歌」などです。これらの作品は海外で高く評価されています。
今回の演奏作品の中に地域の特徴と民族の色彩に富んでいる曲が多く披露されています。「茶摘の歌」はその中の一つです。浙江省は中国のお茶の主な産地であり、龍井茶の産地として知られています。この曲は春の朝、茶娘が太陽に向かって、軽やかな足取りで茶園に入り、すばやい手でお茶を積んでいる様子を描き、美しい未来への憧れを描いています。

浙江省の省都は杭州で、中国の有名な観光都市です。美しい西湖はまるで真珠のように杭州市の西に輝いています。中国のお正月の15日の元宵節の夜、人々は灯籠を掲げ、西湖の上を眺めると、月は銀盤のようで、明かりは星のように輝いています。西湖を訪れた人々は楽しい雰囲気に浸っています。「明かりと月」はこうした風景を描いている一曲です。杭州の民間音楽の典型的なものとなっています。
中国浙江省の民族楽団の「中華風情」と題する新年コンサートは海外の観客に高く評価され、人々は中国の民族音楽の魅力を肌で感じました。これからもっと多くの演奏を海外のみなさんに楽しんでいただきたいものですね。
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