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昔ながらの胡同文化を語ってくれる「物売りの声」
   2007-01-25 10:15:54    cri

 中国の北京は、金、元、明、清の4つの王朝の都とされ、850年以上の歴史を持っています。北京の町は碁盤の目のように整然と区切られ、そのなかに、中国独特の住宅様式・四合院が立ち並んでいます。その四合院がいくつも隣り合って並び、細い路地を形成しています。その路地は、胡同(フートン)と呼ばれます。

 十数年前までは、この胡同で、物売りの声をよく耳にしました。春には金魚、夏にはスイカ、秋にはほうき、冬には練炭。もちろん、季節によらないものもあります。豆腐売り、穀物売り、野菜売り、廃品の回収、鍋直し、刃物研ぎ……。

 物売りの声は、まるで歌のようにすばらしく、その内容がとくに面白いです。例えば、「ビール、醤油、酢を補充します」、「ご不要になりましたものを回収にあがりました。不要品、古い家具、電気製品を買い取ります」、「鋏み、包丁、研ぎます」といったもので、それぞれにそれなりの節まわしがあって、どれも大変面白いものです。物売りたちは、雨の日も風の日も問わず、胡同から胡同へと移動しながら売り歩き、その声は、庶民の暮らしをにぎやかに彩ってきました。

 しかし、現在、都市開発が進むにしたがって、この声がだんだん聞かれなくなりました。

 この、北京の商人たちの名刺ともいえる物売りの声を保存しようと、北京市民たちが、取り組みはじめました。

 北京市崇文区文化館は2004年、老北京民間芸術団を発足させました。北京で「呼び売りの王様」と呼ばれる臧鴻さんをはじめ、張振元さん、張桂藍さんら呼び売りの研究者が、物売りの声をいまの人に聞かせ、昔の庶民生活をわかってもらおうと、大学や企業などで公演を行っています。芸術団の最年少の団員、80年代生まれの胡偉さんは、物売りの声についての思いをこう語っています。

 「私と同じ世代の人は、ほとんど、中国の伝統文化より、西洋の音楽や映画にはまっています。物売りたちの知恵や、昔の庶民生活がギュッとつまった物売りの声を、ぜひいまの若い人たちに聞いてもらいたいです。中国の伝統文化を継承し、世界に伝えることを、私たちの世代は担うべきだと思います」。

 現代的な巨大マンションが次第に胡同を押しつぶしていくにもかかわらず、物売りの声がいつまでも聞かれるものであってほしいです。(鵬)

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