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文化を通じた中日交流ーーー馬驍、王荻地ご夫妻の作品展、北京で開催
   2006-11-30 11:12:31    cri

開幕式で挨拶した井出敬二公使

 日本在住の中国人水墨画家馬驍、王荻地ご夫妻の作品展が11月19日から27日まで中国美術館で開催されました。二人とも今、日本に定住してしています。馬驍さんは父は中国人、母は日本人、体の中に日中両国の血が流れているせいか、作品には日本と中国を結びつけているものを感じます。奥さんの王荻地さんは中国の絵画界の大家である王式廓さんの長女で、中央美術学院卒業後、1979年夫と共に日本に移住しました。

開幕式で挨拶した王荻地さん

 中国の水墨画は日本で大変人気があり、いまご夫妻は日本で水墨画教室を開いたりして、多くの日本人の弟子に教えています。今回の中国美術館の作品展には馬先生、王先生ご夫妻の弟子達50人あまりがわざわざ日本から応援に駆け付けてくれました。

 しかし、1979年、二人は最初に日本に着いたとき、馬驍、王荻地ご夫妻の絵はあまり理解されませんでした。最初のころ、馬さんの母親の故里である静岡で、二人が絵を描き、生活を営んでいましたが、絵があまり売れないため、彼らが苦しい毎日を送っていました。馬さんたちを助けるため、友達は馬さんにある貿易会社の仕事を紹介しました。収入もよく、安定しているため、当時では馬さんにとって、とてもよい選択肢でした。しかし、いろいろ考えた結果、二人はこの仕事を断りました。水墨画への夢を諦めたくないからです。夢と現実が行き交う中、馬さんと王さんは厳しい現実の中でも自分の夢を追い続けたのです。いくら苦しい生活を送っても、絵を描き続けるという芸術を愛する精神は並大抵のものではありません。

応援に駆けつけてくれた日本のサポーターたち

 そして翌年の1980年、二人は上京、東京で奮闘し始めました。馬さんは日本の文学芸術を鑑賞し、日本人の審美意識を味わいながら、現代、近代の日本画の画家の作品も研究しました。馬さんは多くの時間を費やして、日本各地を訪ね歩き、写生したりして、水墨画の変革を探りました。彼は伝統的な水墨画と西洋の造型の技法そして日本人独特の審美意識を融けあわせ、独特な水墨画の世界を作り上げました。

 1982年、二人にとって、運命の時がやってきました。ある日本の友達の紹介で馬さんは東京新宿の伊勢丹で山水画の個展を開き、多くの日本人に中国山水画の魅力を披露しました。この新しい風格はすぐに日本人を引き付けて、個展での作品はあっという間に完売しました。それがきっかけで、その後、馬さんは雑誌のカバーに絵を描いたり、「中国語講座」で絵を描いたりしていました。

ご夫妻が作品の前で

 その後、1982年ー2005年、彼らは日本の大手百貨店で合わせて100回以上の個展を開催しました。それにより、彼らのファンも急増しました。そして、要望にこたえて、馬驍、王荻地ご夫妻は早速日本で水墨画学会を発足させ、展示館を設立したほか、多くの日本人に中国の水墨画を教えました。このほか、アメリカ、イギリス、フランス、オーストリアなどの国々で巡回展を開きました。ご夫妻は水墨画大使と呼ばれています。日本の著名な画家である平山郁夫先生は彼らの絵を「日本の水墨画の新しい境地を切り開き、日本水墨画世界の新しい光である」と評価しています。また彼らは日本で外務大臣賞を受賞したり、日本全国現代水墨画大賞など数々の賞を受賞したことがあります。

北京放送の取材を受けている王荻地さん

 作品展の開幕式でお二人にお話をお伺いしました。

 王荻地:私たちは今回初めて中国国内で個展を開きました。自分の絵はどんなレベルに達したのか、今回は一種の試験になるものですが、27年間の努力はまだ足りないが、先生や友人に成績の報告をすることでもあります。私たちは中国で芸術の教育を受けたのですが、日本で芸術活動を展開しました。中日の芸術には似通ったものがありますが、異なるものもあります。日本人は水墨画がすきです。私たちは伝統を守りながら、日本民族の思想や生活と結びつけた独特な水墨画を作りました。いま両国の水墨画の交流によって、日本のレベルもずいぶん向上しました。

友人と歓談している馬驍、王荻地ご夫妻

 馬驍:私は北京を離れてから、もうすでに27年になります。今回初めて自分の故郷である北京で作品展を開くことができまして、うれしく思いますし、とても感激しています。多くの祖国の友達が私たちに多大なご支援をいただき、支えてくださっています。私は初めて涙を流しました。ちょうど今日は私たちの結婚45周年の日にあたります。これからもっといい作品を描きたいです。日本を含め、多くの国々で作品展を開催しまして分かったことは、多くの外国人がまだ中国のことについてあまり分からないことです。ですから、私たちは水墨画を描くだけではなく、やりがいや生きがいを感じながら、生きています。

友人の荘志霞さんが文化を通じた相互理解を語る

 また日本と中国の友好のため、絵を描いています。絵を通じた両国の相互理解をしたいです。日本の国民も、中国の国民も仲良くなりたいです。しかし、ここ数年政治上の影響で、誤解が生じました。特に私の母は日本人で、父は中国人なので、特に友好を願いたいです。なぜならば、両国の関係が悪ければ、心理的にもほかの面でも影響されます。中日友好が実現できなけば、私たちにも責任があります。これからさらに中日の交流に努力していきたいと思います。

レセプションで熱唱している日本のサポーター

 中国人の中にも馬先生や王先生の日本での歓迎振りを見、先生の日本人の友達と知り合えて、日本人に親しみを覚える人もたくさんいます。北京放送の孫建和前東京支局長の奥さんである荘志霞さんは日本で三年間あまり生活していました。日本に行く前に、日本語も分からなかったし、日本に対する印象も薄かった荘さんは馬先生たちとの出会いを通じて、日本人の中国文化にたいする熱心さに感動し、多くの日本人と友達になり、日本そして日本人にとてもよい印象を持っていました。開幕式で荘さんも会場にわざわざ来ており、この作品展のため、自らわざわざ作った詩を読み上げたほか、日本の友達から教わった日本の歌を披露しました。

 荘志霞さんの話では日本人が中国人を見下していると思ったんですが、日本で二人の中国人の先生の絵が多くの日本人に喜ばれ、また多くの日本の著名人から尊敬されているのを見て、日本人に対する印象まで変わったそうです。これは絵を通じた相互理解の輪が広がったともいえます。

 まさに文化にはその力を秘めていますし、私たちもお互いの文化を学びながら、友好を深めなければなりません。

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