杜康酒は、杜康が造ったことから、杜康酒と言われたそうで、彼は酒の神とされています。杜康は、そうですね。これも一説ですが。今からなんと2500年ほど前に生きており、彼が造ったというお酒は、とても美味かったといいます。当時は蒸留酒ではないようですが、いまの杜康酒は蒸留酒です。このお酒、産地は、北京の南にある河南省洛陽市郊外の竜門伊川県らしく、ここで造酒所の遺跡が見つかっており、考古学者の研究によって、ここが、2500年前ですかね。この杜康が酒を造ったところだとされています。で、ここは九泉山という景色のよい山の麓で、東に鳳山、西に虎山、南にはさっき言った九泉山、そして北には竜門山があり、この四つの山に鳳泉、虎泉、酒泉、竜泉など六つの美味しい水が湧き出る泉があります。
ところで、こんな話が伝わっています。
今から2500年前の東周の時代、杜康という酒造りの職人がいて、いい酒を造るにはいい水がなくてはならないことを悟り、天下一の泉水を探しに出かけた。
と、ある日、杜康は竜門を出て、曲がりくねって流れる伊川に沿って南にいくと、またも一本の河を見つけた。その河の上流に行くと、川幅は狭くなり水は澄みきり、やっとのことでその河の源を見つけた。そこには小さな溝があるので行ってみると、多くの泉から水が噴き出していたので、その水を飲んでみると甘くて美味しく、からだ中がすっきりし、急に元気が出てきた。嬉しくなった杜康、ここに小屋を立て、この水を使って酒を造り始めた。のちにここに来て住み着く人が多くなったので、ここは徐々に村となった。
杜康の腕はよく、上等な穀物を材料にし、細かく気を配って、香りがよくとても美味しい酒を造ったので、この酒は遠くまでその名が知られるようになった。のちに杜康の酒造りの腕は皇帝の耳に入り、皇帝は人をやって、その酒を持ち帰らせ、自分も飲んだところ、うまいだけでなく、元気が出てきたばかりが、食も大きく進むようになったので、杜康にその酒を「御酒」として都に貢ぐよう命じ、杜康を酒の仙人という意味の「酒仙」に封じたことから、この村も「杜康仙庄」と呼ばれ、酒造りに使う水があふれ出る泉は「酒泉」と名づけられ、かの溝も「酒仙溝」と称された。
のちに、杜康はその酒造りの腕をなんと天から買われ、天の最高責任者である玉皇大帝、つまり天帝に招かれ「酒仙」という天の役についたという。
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