孔子は中国文化の代表的な人物で、すべての中国人にとって、特別な存在です。中国古代の思想家、政治家、教育者、儒学の創始者など、多くの顔をもち、各方面で強い影響を及ぼしました。中国では、小学校から、孔子の「論語」を習い始めます。その孔子が生まれてから今年は、2557年目となります。その故郷、山東省の曲阜市は台湾の台北、台南などの孔子廟と協力し、盛大な祭祀儀式を行いました。
今回の活動は中国の関係機構とユネスコとの共催によるものです。文化フェスティバルのほか、「台湾海峡両岸の孔子文化交流週間」という活動も催される予定です。今回のフェスティバルの開幕式のため、わざわざ台湾からやってきた方の中に、中国国民党元副党首の林澄枝女史もいます。林女史は国民党孔子祭祀文化団の団長を務めています。孔子が中国文化に与えた影響について、林女史は次のように話しています。
「孔子は中国人が最も尊敬する聖人です。その集大成である儒学思想は2000年もの歳月が経った今でも、私たち中国人の精神に深く根付き、私たちの生活に影響を与えています。今日はようやく、孔子の故郷を訪れることができて、また式典に参加できたのは、私にとって、感慨無量のことです。今の気持ちは、宗教の信者がその発祥地を参拝する心情とまったく一緒です。祭祀の中の式典の様式はただ表面的なもので、文化の伝承と発揚がその真髄だと思います。台湾各地の孔子祭祀活動から、中華文化が台湾に深く根付いていることが分かりますが、今回のフェスティバルのテーマは、両岸の文化交流です。両岸は離れていますが、私たちの血は同じものです。特に文化面ではお互いに学びあうべきところが多いと思います」
台湾では孔子の影響が大きいそうです。林女史によると、台湾各地に孔子を祭祀する孔子廟が多く建てられており、そのうち、古いものでは台南の孔子廟が15世紀、台北の孔子廟は19世紀に作られました。毎年の孔子生誕の日に、あちこちで儀式が行われていますが、代表団を組んで大陸にある孔子の故郷で祭祀をとりおこなうのは初めてのことです。
また、今回のフェスティバルには、ユネスコの代表者も参加して初めて、「国連ユネスコ孔子教育賞」の授賞式が行われました。今回はモロッコとインドの教育省が受賞しました。
1 2
|