今日のこの時間は、中国の成語をいくつかご紹介しましょう。
まず最初は、「晏子春秋」から「内助の賢」
実は日本のテレビで「功名が辻」という時代劇のドラマをやっていましたが、日本には「内助の功」という諺がありますね。よく似ているので調べてみたんですが、「内助」の二字だけが同じでした。ま、その話しはいつかのことにして、はじめましょう。「内助の賢」
戦国時代の斉の国に晏子という宰相がいた。晏子は背がとても低くかったが,政(まつりごと)ではかなりのやり手であることから、この時代では知られていた。
と、ある日、晏子は馬車で出かけた、馬車の御者は体が大きく、それに引き換え晏子は小柄であったことから、この御者は露骨には出さないが、相手が一国の宰相であっても、いくらか見くびった態度をとる。しかし、当の晏子はそれがわかっていても気にしない振りをしていた。
で、その日も、馬車が町を通り、御者の家の前を通り過ぎたが、ちょうどそのとき、御者の妻が家の中から外を覗いていた。そのとき、背の高い夫が、いつものように背の低い晏子を乗せて胸を張って馬車を走らせていたので、顔を顰めた。
さて、その日の夜、御者の夫が家に帰ったあと、妻がいう。
「晏子さまは、背がとても低いのに斉の国の宰相となり、その名は天下に知られ、まわりの諸侯は晏子さまをとても尊敬してるわ。でも晏子さまは少しも驕らず、とても謙虚に振舞っておられる。その一方で、お前さんは何ですか?背が高いからといって背の低い晏子さまの前では胸を張っていますけど、あの方の馬車を走らせるだけのものに過ぎないじゃないの。いつも自分のうわべだけを考えているから出世できないのよ。本当にあなたの妻として恥ずかしいわ」
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