さて、先ほども言いましたがこの時間は中国料理にまつわるお話をご紹介しましょう。
まずは広東料理の「竜虎闘」、これは竜と虎が闘うという意味でしょうね。すごい名前ですが、実は蛇と猫を主な材料としたものでして、竜なんて動物はいませんから、足のない蛇を代わりに使い、虎の代わりに猫を使ったんですね。でも、竜に似ていて足が着いているのなら蛇よりトカゲのほうがいいと思うんですけど、そんなことはどうでもいいでしょう。で、蛇と猫の料理と聞くと気味が悪くなりがちですが、ご存知のように広東では昔から空飛ぶものは飛行機以外、地上の四足のものは机以外は何でも料理にしてしまったといいますからね。また、今ではこの「竜虎闘」という料理は、多くが「竜虎鳳(火+会)」とか「竜虎鳳大会」とか言う料理となっています。ここで加わった鳳とは伝説上のオオトリのことで、竜と同じようにこんなものは実在しませんので、鶏をオオトリにたとえて調理したものです。ま、「竜虎鳳大会」とは簡単に言えばスープ料理のようなもので、蛇肉と猫肉と鶏肉を煮込んだスープ料理がちなものともいえましょう。前置きが長くなりましたのでさっそくはじめましょう。しかし、お話は「竜虎闘」つまり、「竜と虎の闘い」としておきます。
|