次の日、目が覚めた張さんが慌てて四旦那の屋敷に来てみると、中はひっそりとして誰もいなかった。
さて、のちに、張さんの弟が西川地方の役人となったが、兄の張さんはどうしたことか貧しく暮らすようになり、これはいかんと弟を訪ね、助けを求めが、幼いときから仲が良くなかったのか、弟はかなりケチった。落胆した張さんは戻るしかなく、途上でため息ばかりついていた。と、あるところまで来たとき、一人の若者がロバに乗って付いてきたので、心細くなっいた張さんはその若者に声をかけた。落胆した張さんの顔をみて若者はわけを聞いたので、張さんがありのままを話すと、若者は張さんを慰めながら同行した。そしてある十字路まで来ると若者が不意にいう。
「私はここであなたと別れますが、前方を歩いている老人は、あなたの友人の託だとしてものをくれますよ」
「え?前方を歩いている老人が、私の友の託けたものをくれるって?」
「そう。ではこれで」
こういうと、若者はふと消えてしまった。
そこで張さんが先を急ぐを確かに老人が前を歩いている。そこで老人に追いついた張さんが声をかける。
「あのう・・そのう・・」
これには老人笑い出した。
「ははは!張さんですな。これを託けられましてな。ほれ、受け取られや」
こういって老人は背負っていた大きな袋を張さんに渡した。張さん、これはと中を開けてみると銀塊がたくさん入っていた。
「これを誰が私に?」と張さん聞く。
「ああ、それは四旦那からですよ」
老人はこういうとどこかへいってしまったそうな。
はい、これでおしまい。
そろそろ時間のようです。来週またお会いいたしましょう。
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