ジャスミンの花、中国語で茉莉花。花の白さとすがすがしい香りで人々に愛されています。日本の俳人・楸邨に、「茉莉花を拾ひたる手もまた匂ふ」という句があります。私の経験では、一度ジャスミンの花と出会ったら、好きになり、忘れられないでしょう。
江蘇省で有名な民謡「茉莉花」が誕生して以来、多くの人に愛唱されています。そして、人の移動で中国の北方にも伝わり、その地方の民謡の要素も入れられ、新しい「茉莉花」が生まれました。青海・湟源の民謡は、そういうものです。五百年ほど前、西北部の青海地方に徴兵された江蘇・揚州出身の兵士たちが故郷の民謡「茉莉花」を青海の地に根を下ろさせました。
青海・湟源の「ジャスミンの花」の歌詞です。
『可憐なジャスミンの花よ、
ジャスミンの花。
花園の花はかなうものはない。
ジャスミンの花を摘んで髪につけたいが、
花守りさんに叱られるでしょう。
ジャスミンの花を摘んで髪につけたいが、
花守りさんに叱られるでしょう。
花を摘まないで、髪に付けないで
いつかジャスミンの木を家に移植しましょう
それで毎日、そばにいられる
花を摘まないで、髪に付けないで
いつかジャスミンの木を家に移植しましょう
それで毎日、そばにいられる』
次は河南省の「ジャスミンの花」です。
『ジャスミンの花、ジャスミンの花
みんなに愛され、
お嬢さんが喜んで花を髪に付ける
カササギが鳴き、うれしいことを知らせる
お嬢さんは今年、嫁に行く
嫁入り道具の用意はもうできた
そのめでたい日を待つだけだ』
最後は、山西省の民謡「ジャスミンの花」です。
『(男)ジャスミンの花、満開してる
すがすがしい香り、そよ風と共に漂う
(女)愛情をこもって栽培した花、
だれかが摘んでくるでしょう
(男)僕が摘んで、お前の胸につける
(女)人はいっそう風雅になる
(合唱)ジャスミンの花よジャスミンの花
あなたがいるから
愛は永久なものに』
中国各地の民謡「ジャスミンの花」、四回にわけてご紹介しました。どうぞオンライン音楽で楽しんでください。
(担当:藍暁芹 メールアドレス:ran_cri@hotmail.com)
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