ところで、ジャスミンの花は、熱帯と亜熱帯の植物で、中国各地で広く栽培されています。南の江蘇省から、西の青海省や北の黒竜江省まで、各地には「ジャスミンの花」(中国語で『茉莉花』)と題する民謡が、十数曲あります。もちろん、メロディは違います。ここで四回に分けてこれらの民謡をご紹介しましょう。
まずは、世界でも有名なこの曲です。
1794年、イギリス人ベロさんが『中国旅行記』という本で、江蘇省の民謡「ジャスミンの花」の楽譜を記しました。そして1926年、イタリアの音楽家、プッチーニ氏がオペラ「トゥーランドット」でそのメロディを使い、世界でも知られるようになりました。元の民謡に基づいて、編曲したものです。
歌詞をご紹介します。
『可憐なジャスミンの花、
可憐なジャスミンの花よ
いい香りで美しい
たくさん咲いている。
多くの人にたたえられている。
摘みましょう
プレゼントとして あの人にあげる。
ジャスミンの花。
可憐なジャスミンの花、
可憐なジャスミンの花よ
ある日、わが家に現れた。
ジャスミンの花を前にして とてもうれしい。
花園の花、かなうものはない。
芳しい香りが わが家に入ってくる。
ジャスミンの花よ
ジャスミンの花』
次は、ベロ氏が記した「ジャスミンの花」の元の江蘇省の民謡、中国で一番有名な「ジャスミンの花」です。
『可憐なジャスミンの花
可憐なジャスミンの花よ
花園の花は全部咲いても、その香り、ジャスミンの花にはかなわない。
一輪摘んで、髪にさしたいけど
花守りさんに叱られるでしょう。
可憐なジャスミンの花
可憐なジャスミンの花よ
ジャスミンの花が咲く 雪より白いね。
一輪摘んで、髪に挿したいが
人に笑われるでしょう
可憐なジャスミンの花
可憐なジャスミンの花よ
花園の花は全部咲いても、その香り、ジャスミンの花にかなわない。
一輪摘んで、髪に挿したいが、
来年、また芽をだすかな。
一輪摘んで、髪に挿したいが、
来年、また芽を出すかな。』
(担当:藍暁芹) 1 2
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