オリンピックは今年8月8日に開催されることは、皆さんもご存知だと思いますが、オリンピックの後、もうひとつの大きなスポーツ大会が北京で開催されます。それはパラリンピックです。
パラリンピックを成功に導くためには、スタジアムの設備がとても重要になってきます。いわゆるバリアフリーということ、具体的な施設が『障害者に優しい作り』になっていることが当然重要です。でも、それと同時に、ボランティアを始めとする運営スタッフが提供するサービスも大切となります。オリンピックのボランティアも、もちろん専門的な知識や訓練が必要ですが、その専門性は、パラリンピックのほうがより高いレベルが要求されるといわれます。
このほど北京オリンピック研修グループがパラリンピック専門会議を開きました。ここでは、パラリンピックに携わるスタッフの研修内容について話し合われました。それについて、担当者の朱善路さんは「パラリンピックは障害を持った方々が集まるスポーツ大会ということで、独特の特徴があるといえます。ですから、スタッフには高い基準が要求されていて、より細かい研修が必要です。私たちは、その際、いくつかの理念を持っています。それは、より実践的であること、そしてより専門的であることです。」と語りました。
具体的に言えば、障害を持った方の身体的な特徴や心理に基づいて、きめ細かなサービスをする・・そのために、系統的で専門的な訓練をするということだと思います。例えば、車椅子に乗る人と話すとき、立ったままではなく、しゃがみこんで、相手と目線を合わせて話すように、というようなものです。
今月初め、北京オリンピック組織委員会ボランティア部は中国身障者スポーツ訓練基地で、第二期の研修班をスタートしました。そのプログラムには、具体的な実践を通じて、学んでいこうという考え方があります。例えば、実際に車椅子を動かしてみて、バリアフリーの施設を体験してみる、などというものです。講義を受けたら終わりというわけではありません。その後テストがあります、テストをパスして、ようやく資格をもらえるんです。100名のボランティア候補生が30名の専門家から講義を受け、パラリンピックに関する知識を学習していました。
今回の研修に参加した張賽さんは「今回の研修を通じて、パラリンピックの知識を数多く学ぶことができました。それによって、パラリンピックという大会そのもの対する認識も新たにしました。障害を持った方に対するサービスにおいて、高い技能が必要だということがわかりましたし、理論だけでなく、実践とあわせて、自ら体験できましたから、自分自身も大きく成長したと思います。」と語りました。
こういった研修は、実は、パラリンピックの関連活動の一内容に過ぎません。これから、組織委員会は、各業界で、この「障害者に優しいソフト整備」を進めていきます。北京オリンピック訓練活動グループの責任者、朱さんは「実践的なPRを通じて、北京市の社会各界がパラリンピックに参加、サポートする雰囲気を徐々に作り上げていきます。そして、空港、警察、飲食業、観光スポットなどの従業員に対しても、こういった研修を行って、社会全体が障害者に優しくあるよう、街づくりを進めて行きたいと思います。」と話しました。
そして、この研修の際は、教える側、つまり講師のレベルも大事です。北京オリンピック訓練活動グループでは、今後、その講師のレベル向上にも力を入れるとしています。朱さんは「経験豊かな講師を選ぶことに加えて、教材作りにも取り組んでいます。現在、「北京パラリンピック知識ブック」、「種目知識ブック」、「サービス規範」など、研修を受ける人たちにとって、使いやすく分かりやすい教材作りを進めていきます。」と述べました。
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