2010年南アフリカW杯の各大陸予選組み合わせ抽選会が11月25日、W杯会場の1つ、南アフリカのダーバンで行われました。中国と同じ組に入ったのは、今年のアジア杯に優勝したFIFAランク65位のイラク、そしてアジア随一の実力を誇る48位のオーストラリア、91位のカタールと同じ組一組になりました。非常に厳しい枠に入ったということで、「死の組」と中国メディアは表現しています。
AFC・アジアサッカー連盟の規定によりますと、最終予選に進出するには、このグループで上位2チームに入らなければなりません。
中国と同じ1組の3チームを見てみましょう。アジアサッカー連盟に加盟したばかりのオーストラリア、2006年のドイツWカップ32年ぶりに出場、16強に入り、その後の8強を決めるイタリア戦で0対1負けましたが、イタリアは結局チャンピオンになったチームです。
そして、イラクは今年の夏に行われたアジア杯で韓国、サウジアラビアなどの強豪を下し、チャンピオンに輝きました。度重なる戦争で一時期、低迷していた時期があったんですが、アテネ五輪で4位になり、そして今年のアジアカップで優勝と、アジアの強豪復活に向けて、着実にチーム作りが進んでいるという感じです。
そしてカタールは2006年末、ドーハで開催されたアジア大会で、サッカーの金メダルを獲得した実力の持ち主です。以前、元日本代表監督のトルシエ氏を監督に擁したこともあり、まだワールドカップ出場はないものの、アジアレベルでいえば、すでに強豪の一角に入りつつあるチームといえます。非常に才能のある選手たちがいて、またムソビッチ監督という世界的にも評価の高い監督が彼らをしっかりまとめていて、W杯出場の有力チームです。
オーストラリア、イラク、カタールと、同じ組になった3チームは全て強豪。本当に「死の組」です。やはり生き残るチャンスがないかもしれません。この結果を受けて、中国チームのFW李金羽選手が、「1組は本当に死の組だ。4チームの間にあまり大きな差がない。特にオーストラリアは、もっとも強いと思う。この四チームの試合は、1次予選というより、最終予選での顔ぶれのようだ」と語りました。
中国代表のベトロヴィッチ監督は抽選会場には足を運ばなかったものの、テレビ中継で抽選の様子を見守りました。記者のインタビューに対し、ベトロビィッチ監督は、「中国は一番強いチームが集まる1組に入ったが、予選突破するのは決して不可能ではない」と自信を示しました。
先月30日から、中国代表は1次予選に向けた合宿に入っています。中国南部の広東省と海南省で1ヶ月の合宿です。その後、アラブ首長国連邦に遠征し、ドバイトーナメントに参加します。そして来年の1月13日、中国チームはドバイから直接イギリスへ出発。そこで一週間にわたるイングランド合宿を張り、プロサッカーリーグの2つのチームと対戦します。帰国後、中国チームは最初の対戦相手、イラク戦を意識した練習を行います。イラクとの1次予選、第1戦は2月6日。そして3月26日にはオーストラリア戦と厳しい戦いが続きます。
中国サッカーは、ファンからも非常に厳しい目を向けられていますが、逆にその逆境がチャンスでもあるわけですから、来年9月の一次予選最終戦まで、ファンに希望を持たせるような試合を見せて欲しいです。
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