自転車ロードレースの最高峰といえば、何と言っても「ツールドフランス」ですが、今日ご紹介するのは「ツール・ド・海南」と言うことで、中国南の島、海南島で行われるレースということです。

　中国最南端の海南島は年平均気温が23.8度。総面積は3万3900平方キロメートル、海岸線が1580キロあまり。透き通った海水、白くてやわらかいビーチ、そして沢山の椰子の木、2007ツール・ド・海南はこんな美しい場所で行われました。今月3日から、第2回「ツールド・海南・国際ロードレース大会」が行われました。出場選手は24の国と地域から105人。７つのラウンド、総距離1100キロで争います。発着点は共に三亜です。三亜は「東洋のハワイ」と呼ばれる有名なリゾート地です。ここからスタートして、時計と逆周りに海南島を一周して、途中15の地区を経過するというコースです。3日にスタートして、10日にゴールしました。その結果は、ポーランドインテルアクションチームのロバット・ラドズ選手が26時間40分48秒のタイムで優勝しました。

　レースに出場したディスカバリーチャンネル・マルコポーロチームのオランダ人、タイス・ゾンネフェルト選手は三亜について「私は、海南島でのレースは初めてです。いやー、青い海、海辺に立ち並ぶ椰子の木を見ていると、まるでパラダイスだね。こんなに美しいところで走れば、私も、私のチームメートもいつも以上の力が出たと思います。」と述べました。

　自転車ロードレースとは、舗装された一般道をコースとして走り、ゴールの順序や所要時間を競う競技です。基本的には個人競技ですが、チーム単位で役割分担してチームの目標達成を目指すのが特徴です。例えば、ある一人のエースを優勝させるため、周りの選手たちが彼をサポートする・・風除けのために走ったり、水分補給を手伝ったり、という形で、チームの総合優勝を狙います。

　今大会に参加した18チームはすべて国際的なプロチームと国家レベルのチームばかりでした。中国代表も世界で活躍する李富玉選手や馬海軍選手などが出場しました。

　参加チームが増えましたから、選手たちの宿泊などサービスに対する要求も高まりました。海南省政府はこれに対応するため、今年、域内の23の三つ星以上のホテルと契約を結びました。そのため、大会期間中、560名あまりの選手役員、審判員、メディアなどの食事面、宿泊面も問題はありませんでした。国際自転車競技連盟のA級審判で、今大会の大会副委員長である邱基金氏は「宿泊施設は非常に素晴らしいですね。四つ星、五つ星クラスのホテルに泊まるというのは、実はアジアのレースでは、それほど多くないのです。ロードレース王国のヨーロッパでも、ホテルの部屋が小さいとか、数が十分でないとか、色々な問題が出てきます。その点、ここでは、そういったことはありませんでしたし、あと食事も非常に豊富でした。選手は非常に気持ちよく、レースを戦えたと思います。」と述べました。

　そして、安全面については、海南省の各警察署が今大会のため、延べ1万500人の警察官が出動し、1300回にわたる巡回を行いました。そして、レース30分前から高速道路を封鎖するという措置をとりました。邱基金氏は「国際自転車競技連盟は今大会の安全確保についても、非常に満足しています。自転車競技、特にロードレースは一般の公道を利用しますから、交通各方面の協力が不可欠となります。今回は、ヨーロッパで行われる国際大会にも負けないくらいの、しっかりした管理が行われていました。我々、審判員も、ここまでやってくれるとは想像していませんでした。」と思いました。

　中国の自転車競技自体は世界水準にはまだまだですし、競技運営も、世界一流のレベルにはまだまだですが、1回1回の開催ごとに経験を積み重ねて、よりよいものにしていく・・そしていつか、「ツールド海南」が『ツールドフランス』に追いつき、または追い越せるくらいの、一流の試合になってくれればという風に思います。