NBA(全米プロバスケットボール協会)のプレシーズンマッチが中国の上海とマカオを舞台に、17日から3日間、開催されました。やってきたのは、NBAのクリーブランド・キャバリアーズとオーランド・マジック。この2つの強豪チームが中国国家代表とも対戦し、本場のバスケットの生で見た中国バスケファンは、その迫力に魅了されました。
まずは上海での初日、キャバリアーズとマジックが対戦。
試合開始前まで、まだ時間のある夕方ごろから、会場となった上海の旗忠森林スポーツセンターにはファンが続々と集まってきました。友人と一緒に来た人もいますし、家族連れの人もいます。1万5千人収容の会場は、9割がた埋まりました。試合中も、一部のスター選手やどちらかのチームを応援するのではなく、見事なプレーには、常に拍手を送ります。バスケットを見る目が以前より習熟してきたことを伺わせる観戦の様子でした。
中国では、ヤオミンの活躍により、バスケットファン、中でも、アメリカのバスケットリーグを楽しむファンが増えています。テレビでも連日、リーグ戦の模様が生中継されています。そんな中、新たなる市場開拓を狙ったNBA側が、中国での更なるバスケットの普及を目指して、リーグ戦を前に行われるプレシーズンマッチを開催したというわけです。これは2004年以来、2度目の試みとなります。前回、2004年にNBAチームが初めて中国にやってきたときは、ヤオミンの人気を利用して、お客さんを集めたというのが正直なところでした。しかし、今回はヤオミンが来ていないにもかかわらず、多くのファンを集めたということは大きな意味合いを持ちます。会場のBGM,チアーのダンス、マスコットを交えてのゲームなど、中国のファンたちは、目の前で、本場の雰囲気を存分に楽しんでいました。
ここ数年の、中国のプロリーグの発展で、中国バスケは、世界に注目されるようになりました。今年、中国のプロリーグからまた易健聯がNBAミルウォーキー・バックスに入団し、活躍が期待されています。NBA側はプレシーズンマッチの開催に加えて、ユース選手の強化キャンプ、若手コーチの育成など、様々な協力プロジェクトを行っています。これらの努力によって、ヤオミンの故郷、上海は、すでにバスケットボールが一番人気のあるスポーツになりました。街角や体育館のバスケットコートは、若者達の最も人気のあるスポットです。また、さまざまな年齢層むけの大会が毎月、行われているようです。
NBAが、その成熟した経験を中国で生かし、そしてNBAの協力パートナーも同時に、中国市場に進出してくれば、まだ若い中国のバスケットボール界にとって、ある意味、脅威となるかもしれません。しかし、同時に、それは成功への近道となる可能性もあると思います。これで、NBAでもっと多くのヤオミンが活躍するようになるかもしれないのです。
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