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中国女子サッカー、低迷期から脱出できるか
   2007-07-25 16:12:39    cri

 プレ五輪「グッドラック北京」のシリーズ大会の一つ、女子サッカー4カ国招待戦が、このほど、中国の北方の町、秦皇島と瀋陽で行われました。中国のほか、メキシコ、イタリアとタイの代表がこの招待戦に参加しました。中国代表は4戦全勝を果たして、優勝という結果になりました。

 得点9点、失点1点という成績で、見事、チャンピオンに輝きました。特に、メキシコとの決勝では、双方無得点のまま、終盤までもつれこみ、試合終了直前に中国がはセットプレーからゴールを決めて、1-0で勝利を収めました。

 この優勝は、まずは何と言っても、ドマンスキ監督を迎えて最初の大会制覇ということで、非常に価値があるといえそうです。試合終了後の中国女子代表、ドマンスキ監督のコメントです。

 「中国女子代表は9月のワールドカップのために準備を進めています。この大会を通じて、私たちは自分たちに相応しい戦い方とは何なのかを見つけることができました。つまり、どうやって攻撃のスピードを高めるか、得意の守備をいかに万全にしていくかという面です。そのいずれも、収穫の多い大会となったと思います。」

 中国女子サッカーは、ドマンスキーという初の外国人監督を迎えたことで、よりスピードを重視し、攻撃的なサッカーを目指すという新たな段階を迎えたといえます。

 このドマンスキー監督は元スウェーデン女子代表の監督を務めていましたが、今年4月から中国女子代表の監督に就任しました。何と言っても大きな目標は、来年のオリンピックですが、さしあたっての目標は、今年9月に開かれるワールドカップまでに、低迷している中国女子代表にカツを与えて、上位進出をするということです。

 中国は、実は女子サッカー王国でして、かつてはワールドカップで準優勝を果たしたこともある強豪のはずなのですが、ここ最近は国際舞台でやや低迷しています。さあ、これを何とかできるか・・というところなんですが、その最初の試金石が今大会にあったというわけです。

 では、最後に対戦したメキシコ代表の選手は中国にどういう印象を抱いたのでしょうか。試合が終了後、メキシコ代表の主将、カナレス選手に聞きました。

「中国代表は昔から集中力が高く、たとえ、試合が不利になっても、絶対あきらめないことで知られています。今回の試合は、まさにそんな、かつての中国の強さを感じましたね。あとヘディングもうまく、またボールへのアプローチがすごく早いという印象でした。私たちにとって、中国代表は非常に強さを感じるチームでした。」

 カナレス選手のいうとおり、中国女子代表は今回の招待戦で確かにここしばらくの中国になかったプレーを見せてくれました。また、彼女らはかつての代表から強い意志と上手なボール運びを受け継いだだけではなく、自分たちの新しい戦い方を探り出したと評価されています。

 では、選手たちはどう考えているのでしょう。中盤の中心を担う、卒妍選手に聞きました。

 「勝っているか、負けているかに関わらず、ドマンスキー監督はいつも攻撃することを強調します。前へ前へ、速く速くと私たちに声をかけます。積極的に行動せず、時間をつぶすようなプレーは、彼女は絶対にゆるしません。ですから、試合中、常にプレッシャーを感じていますし、だからこそ、今回の結果が生まれたのだとおもいます。」

 今回の4カ国招待戦の決勝を見れば分かりますが、試合終了直前に中国が1点を挙げ、これを守れば勝ちという場面・・キーパーはボールをキャッチしてから、時間を稼ごうとゆっくりと動きました。これ自体はセオリー通りなのですが、ドマンスキー監督は、それに対し、ボールを早く出すよう指示をしました。そういう指示を出すことで、常に攻め続ける、戦い続けるという意識を選手たちに植え付けようとしたのかもしれませんね。

 それから、中国女子代表らに現れた大きな変化というと、もう一つあると思います。それはチームの雰囲気が前より明るくなっており、メンバーらの笑顔が多く見られたことです。

 ドマンスキー監督が来る前の中国女子代表というのは、いろんな意味で、チームの雰囲気も悪化していましたし、それとともにチーム力が落ちていましたから、そういう意味では、選手たちに笑顔が出てきたというのは、大きな変化といえます。

 ドマンスキー監督のモットーの一つが「サッカーを楽しむ」ということなんです。試合のプレッシャーや練習の苦しさに負けず、いつも楽しさを求める様に選手たちに求めているそうです。

 そんな中、以前より、リラックスできるようになって、それが結局はチームワークにもつながりました。それが今大会の成績につながったといえます。フォワードの韓端選手のコメントです。

 「今回の試合を通して、私たちはワールドカップへの自信が強くしました。ドマンスキー監督のもとで、私たちでも世界でやれる・・という自信につながったのです。」

 しかし、この4カ国招待戦、出場国は中国のほか、メキシコ、イタリア、タイといずれも世界的には決して強豪国ではないチームですから、ここで優勝したことがそのまま世界のレベルに直結するというわけではありません。そこだけは認識しておく必要があるといえます。

 女子サッカーのワールドカップは、世界で最もレベルの高い女子サッカーの大会です。これまで、中国の最高成績は、先ほども紹介したように1999年大会での第2位なんですが、その後、低迷期に入り、2003年大会ではベスト4にも入れませんでした。

 今大会の中国の目標はベスト4進出なのですが、当然、ファンとしてはこれ以上を望んでいます。ただドマンスキー監督は、現在の中国女子代表は世界の強豪チームに比べてまだまだはっきりとした差があると主張しています。まず、体力的な面、ゴールの決定力が世界のレベルに達していないと考えていますドマンスキー監督です。

 「これからの二ヶ月間、まずは体力面の強化が必要です。厳しい試合で、いかに集中力を持続させられるかが彼女たちの課題です。その上で、ボールを回すスピードを更に速めていくのですが、やはり最も大きな課題は決定力です。シュート力はさらに磨きをかける必要があります。」

 9月のワールドカップまであと二ヶ月足らずということで、中国女子代表もようやくドマンスキー色に染まってきたと感じていますが、ただ、目標のベスト4以上に向けては、まだまだといえると思います。現在は天津で強化合宿を張っている彼女らですが、さあ、これからの短い時間で、それらの課題をいかに克服するか、注目していきたいと思います。(文章:王丹丹 07/23)

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