試合後、中国代表のヨナス監督がいっていたんですが、それまでのところ、ギリシャが最も全体的な戦術に優れたチームであったと評価していました。その優れた戦術の前に、中国の、特に守りの面で多くのボロが出たと分析していています。
この試合も、ヤオミンは出場はしましたのですが、ギリシャ代表に徹底的にマークされたため、結局、ヤオミン選手は10ポイントしか取れませんでした。いくらスター選手であっても、チームメートとの連携が止められたら、力を発揮することが難しいのは改めて証明されました。
逆に言うと、中国が姚明一人のチームになってしまった、頼りすぎたということになるのかもしれません。この点について、中国バスケット協会の故加時副主席はこう述べています。
「この試合でいろんな問題が表に出てきました。まず、何よりもチームワークが十分でないことです。もちろん、ケガなどがあり、十分な合同練習ができなかったものの、これは言い訳にはなりません。それから、やはり身体能力の面でも強豪チームとの間に差がはっきりと見られました。さらに、高さという点では、決して他チームに劣らないのですが、攻撃のスピードは強豪チームより遅かったのも事実です。」
今後の課題は、姚明チームから、中国チームへ・・チーム全体のレベルをいかに上げていくかということになりそうです。
これについて、中国代表のヨナス監督はこう語りました。「中国の選手たちに欠けているのは経験です。2008年を考える場合、今のところ、最も効果的な方法は、彼らをヨーロッパの一流リーグに派遣することです。ギリシャや、イタリア、スペインなどの固い守備に慣れること、これが第一の解決策といえるでしょう。」
今回、世界選手権に出場した中国代表のメンバーたちは、平均年齢が22.4歳。出場チーム中、最も若いチームともいえるでしょう。若いための未熟さもあるのですが、希望も大きいといえます。二年後に控えている北京オリンピックで中国代表はどうなるかについて、アメリカ代表の監督補佐で、NBAフェニックスサンズのアントニ監督は、次のように述べました。
「中国代表はまだまだ若くて可能性のあるチームです。過去、数年間の中国チームの進歩は大きなものでしたが、二年後には、さらにすばらしいチームになると思います。」
今回の世界選手権はある意味2008に向けた、中国チームの世界へのお披露目ですから、若いチームが、今後どんな風に進化を遂げるのか、注目していきたいと思います。中国、そして日本も、世界の強豪に少しでも近づけるようがんばってほしいものです。(文章:王丹丹 09/04) 1 2
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