北京の春が今年も柔らかな暖かさとともに訪れています。冷たい風が身に染みる日が続いていましたが、一晩明けた道端にレンギョウの花は黄色くなり、玉蘭の白い花が咲き始め、花も鳥も草もみんな賑やかになり、生気に溢れる活力を見せています。今回の中国メロディーは北京の春をテーマにお送りしましょう。

古都の情緒

　北京の春は短くも美しい季節で、長く寒い冬を経て、北京は温かな春風に呼び起こされます。大覚寺の玉ラン、法源寺のライラック、瑠璃河の梨の花や元の時代の遺跡公園のカイドウの花もみな優雅で気品ある雰囲気を見せています。これはきっと、悠久の歴史を持つ北京という都市で上演された数多くの悲しい物語やロマンチックな物語が根底にあるからなのかもしれません。短い北京の春ですが、その独特な趣は尽きることがないと感じさせられます。

エンジュの花

　エンジュの木は2002年に北京市の木に定められました。春、エンジュの花が咲くころになると、北京のあちこちには花の香りが漂い始めます。朝、ドアを開けると、庭にはエンジュの花の香りが満ちていて、エンジュの木の枝には一晩のうちにたくさんの白い小さな花が咲き、笑顔を見せてくれます。爽やかな風が吹くと、エンジュの花はまるで白い雲のように緑色の葉っぱと枝の中に見え隠れします。

花より団子～旬の美食～

　花が好きな人にとって、春はまるで美しい花園のようで、あちこちに咲く色とりどりの花を楽しむことができます。一方、花より団子の人にとって、春の自然はまるで尽きることのない食材の宝庫で、春の味に舌鼓を打つことができます。

　例えば、エンジュの花は春の天ぷらにぴったりな食材で、柳の新芽も美味しいサラダやナズナを入れた餃子など、数え切れないほどの旬の料理があります。この生気溢れる春は、美しい景色だけでなく、旬の美食を思う存分味わうことができます。

番組の中でお送りした曲

1曲目　春光美（春の美しい風景）

歌词：

私たちはあの頃を思い出す

冬の山の頂で　春の生命力が顔を出す

春の美しさが私の心に刻まれている

2曲目　我在春天等你 （春にあなたを待ち望む）

歌詞：

淡い思い出　紫のライラックの淡い香り

温かい後ろ姿は昔と変わらない

私の心は春の雲の上を飛んでいる

春にあなたを待ち望む

3曲目　春天里（あの春の日に）

　この歌は中国の有名なロック歌手・汪峰が2009年にリリースした曲で、歌手が自分の放浪歌手としての歳月を偲ぶ気持ちを歌っています。

歌詞：

まだ覚えている　ずっと昔の春

あの頃の僕は髪がまだ長くて

クレジットカードも彼女も

24時間お湯の出る家もなかった

だけどその頃僕は幸せだった

古いギター一本しかなかったが

だれにも見向きもされない歌を歌っていた

もしいつの日か 俺がこの世界をそっと立ち去ったら

亡骸をこの春に埋めてくれ