内モンゴル最大の飲食チェーン 「小尾羊」が日本で上場企業を目指す!!
王明琳・小尾羊ジャパン代表取締役
1986年内モンゴル大学経済学部卒業。87年内モンゴル包頭市労働局に入局。93年包頭市金龍科貿有限公司総経理に就任。98年蒙羊王しゃぶしゃぶ鍋(北京)総経理に就任。02年小尾羊飲食チェーン有限会社(内モンゴル)副社長に就任。04年小尾羊飲食有限会社(上海)総経理、05年小尾羊飲食有限会社(北京)総経理、06年小尾羊飲食有限会社(ドバイ)総経理を経て、小尾羊ジャパン(株)代表取締役に就任後、現在にいたる
内モンゴル発の飲食チェーン「小尾羊」が話題を呼んでいる。代表料理「蒙古火鍋しゃぶしゃぶ」を食べれば、羊肉とスパイシーなスープのパワーで夏バテを解消できるというのだ。さっそく、日本で代表をつとめている小尾羊ジャパン(株)の王明琳氏に話を聞いてみた。
取材は張国清北京放送東京支局長である。この取材内容は日本東方通信社の週間雑誌「コロンブス」2008年8月号に掲載されている。
張国清 王さんは小尾羊という飲食チェーンの日本代表を務めていますね。
王明琳 小尾羊は内モンゴルの包頭市に本社を構えている飲食チェーン店で主に「蒙古火鍋しゃぶしゃぶ」を提供しています。これは50種以上の薬膳をふんだんに使ったスープを使ったしゃぶしゃぶのことです。もともと内モンゴルには高品質な肉と薬膳があるため、こういった料理が誕生したのだと思います。当店では、辛口で新陳代謝を促し、脂肪燃焼、ダイエットに効果を発揮する「麻辣紅湯」、タップリとキノコを入れて、生活習慣病やガン予防に効果を発揮する「山珍湯」、まろやかな風味で美肌効果がある「コラーゲン白湯(パイタン)」という3つのスープでしゃぶしゃぶを楽しんでもらえるようにしています。また、内モンゴルでは羊肉を食べるのが一般的なのですが、当店では豚肉や牛肉も用意しています。
張 王さんはどちらの出身ですか。
王 私は会社同様、内モンゴルの包頭市の生まれです。おかげで、私は漢民族ではありますが、内モンゴルの文化に非常に愛着を持っています。モンゴル族の歌を耳にすると、自然と涙が出てくるほどです。だからこそ、今の会社で内モンゴルの素晴らしい食文化を世界に発信していきたいという思いがあるのです。ちなみに、私が会社に入社したのは02年のことです。日本に来る前は本社勤務だけでなく、ドバイ(アラブ首長国連邦)や上海などで小尾羊の代表をつとめていました。
張 現在、どの程度の規模でチェーン展開しているのですか。
王 06年でチェーン店、直営店を合わせて600店を超えました。そのうち直営店は1割弱といったところです。中国では内モンゴル、北京、上海、江蘇省、安徽省などに多数出店しています。海外では韓国、オーストラリア、イギリス、ベトナム、アラブ首長国連邦といった具合になっています。現在、アメリカへの進出も考えているところです。
張 進出している国を見てみると、やはり中国人が多い地域に進出しているようですね。いつ頃からこうした海外事業をスタートさせたのですか。
王 海外進出をはじめたのは06年のことです。中国国内の店舗が600店を超え飽和状態になったので、海外のマーケットにも進出しようということになったのです。もちろん、日本に進出したのもその一環です。ちなみに、日本出店に際しては、当社の役員たちが何度もマーケット調査を行いました。その結果、日本には中国人が数多く住んでいるだけでなく、文化的な共通点が数多くあることがわかったのです。しかも、日本人は中華料理が好きなので、確実に店舗展開をすすめることができるということになったのです。
張 日本ではどのようにして店舗展開をすすめていったのですか。
王 日本では今のところ直営店のみを経営しています。その第1号店は新大久保店でした。というのは、新大久保周辺には中国人が数多く住んでおり、潜在的なマーケットが十分にあったからです。まずは、日本でも中国人のファンをキッチリと獲得しておきたいという思いがあったのです。
次いで、昨年7月には池袋に2号店をオープンさせました。ここでは中国人だけでなく、日本人のファンも獲得できるように努めました。たとえば、内装などにも注意を払いました。内モンゴルから持ってきた絵画や壁紙を利用しながらも、全体的なデザインは日本人に任せるようにしたのです。
そして昨年12月1日には六本木に3号店をオープンしました。六本木店はこれまでの2店舗に比べて、やや高い客単価を見込んでいます。実際、池袋店の1人当り客単価は4500円ですが、六本木店の1人当り客単価は6000~8000円になっています。ちなみに現在、従業員は3店舗を合わせて75名で、日本人と中国人で構成しています。そうすることで、シッカリと現地化をはかっていきたいと思っているのです。
張 1店舗当りどの程度の売上げをあげていますか。
王 季節によって変動しますが、2号店の場合、夏場は1200万ー1500万円ですが、11月になると1800万円、12月になると2000万円といった具合になっています。張 日本はいいマーケットになりそうですか。 王 実にいい市場だと思います。もちろん、税金が高い、衛生面がきびしいといった部分もありますが、売上げを伸ばしていく自信はあります。
張 今後の方針についてお聞かせください。
王 フランチャイズビジネスを強化するために、各地の加盟店をドンドン増やしていきたいと考えています。そこで、今年の6月に加盟事業部を立ち上げたのですが、1カ月の間に6名の希望者からの問い合わせがありました。この調子で3年間のうちにフランチャイズ店を100店舗にしたいと考えています。
張 「蒙古火鍋しゃぶしゃぶ」が大ヒットするといいですね。ありがとうございました。
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