中国若手行政官に聞く、日本留学経験談
ーー2008年JDS留学生帰国報告会取材記
JDS日本政府の援助プロジェクトで1年2ヶ月の留学生活を終えた中国若手行政官の帰国報告会が31日朝、北京の東にある21世紀ホテルで行われました。出席したのは2006年にJDS留学プロジェクトへの参加を申請し、2007年6月から日本の筑波大学で国際関係や公共政策を専攻した7人の若手行政官たちです。彼らのほかに、日本中国駐在大使館の関係者や中国商務省、文化省などの責任者も報告会に参加しました。
留学生らは報告会で日本留学の研究成果などについて報告するとともに、日本生活の経験談なども披露しました。
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報告会の様子 |
みんなでの集合写真 |
■ 研究テーマ、「中国社会の今」に高い関心を示す
留学生7人はそれぞれ中国外務省、中国文化省、農業省などの部門に所属する中央・地方公務員です彼らの研究テーマは携わってきた分野と関連するとともに、いずれも「現代中国」に高い関心を示しているものです。
たとえば「南中国海主権に関する一考察」(頼 明、国際関係専攻、海南省外事華僑事務弁公室)、 「新聞が中日関係発展における役割」(馬 雲飛 、国際関係専攻 、中国文化省)、「中国新興農業協力コミュニティ研究」(薜 瑞寧、公共政策専攻、中国農業省) 、「中国漢方薬の特許保護」(裘 邡邡、公共政策専攻、北京海関)など。
■ 日本社会への印象は「礼儀正しさと秩序」
7人の留学生はいずれも、日本語や日本にまったく触れたことのない人なので、一年間の日本生活を通じて、積極的に日本人と接し、感じたことが数多くあるそうです。
日本社会に対する印象といば、最もよく使われるのは「礼儀正しい」と「秩序がある」でした。日本人の礼儀正しさに感心した人もいるし、すこし距離を感じた人もいました。日本社会に秩序があり、組織が効率的だと評価している人もいるし、秩序を守り過ぎ、融通性が足りないと批判する声もありました。
■ 長野県の聖火リレーや胡錦濤国家主席の訪日が最も印象的
彼らが日本で留学している間、長野県の北京五輪の聖火リレーや胡錦濤国家主席の訪日などを経験しました。この二つは彼らの日本留学で最も印象的なものとなりました。特に、自ら長野県の聖火リレーに参加した留学生が「中国の国旗、日本の国旗、そして五輪の旗」を持った"国際的な姿勢"に対しては、責任者の皆さんも高く評価していました。
■ 感謝の気持ちいっぱい
日本語は2ヶ月しか勉強していなかったので、発音は多少違和感がありましたが、「有難う」という言葉はとても上手でした。「お世話になった日本人の皆さん、熱心に教えてくれた先生方、支えてくれた同僚の皆さんと家族の皆さんに感謝の気持ちで胸いっぱい」と語りました。
◆ JDSというのは無償資金援助育成奨学計画で、日本政府の援助の下、中国の行政官の日本留学を助成するものです。この計画は2002年から実施し始めたもので、これまで、264人を派遣しました。そのうち、160人あまりが帰国して、その他の人は、まだ日本で勉強しているということです。
このプロジェクトの留学を申し込むには、まず、大卒で22歳以上40歳未満、行政官として3年以上の実務経験があることが求められます。それから、語学試験や面接を含めて、四回の選考に合格して初めて資格が得られるのです。より多くの日本語のわからない行政官に日本という国を知ってもらうために、このプロジェクトでは日本語と英語のコースが設置してあります。法律や公共政策、経済、経営、国際関係の5つを留学分野としています。
JDSのホームページ:http://www.jdschina.cn/(中国語)
7月4月の報告会については:https://japanese.cri.cn/205/2008/07/17/1s122233.htmをご覧ください。
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