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紫金草合唱団が南京暁荘師範学院で熱唱中 | 春の中国江南地方の野に咲く「二月蘭」を「紫金草」と呼んでいる日本人達がいます。12月中旬、158人の日本人からなる「紫金草合唱団」は南京、上海で平和を祈念する交流コンサートを行いました。
今を遡ること、60数年前、一人の日本人山口誠太郎博士が、南京の紫金山の麓に咲く紫の花の種を日本に持ち帰り「2度と戦争が起こらないように」との願いを込め、各地に播き広めました。特に1985年の筑波科学万博のときには、平和のシンボル"ピースフラワー"として世界各国から来た人に100万袋も花の種を配りました。
その後、絵本作家の大門高子さんは、新聞の記事で紫金草のことを知り、このエピソードをもとに「むらさき花だいこん」という絵本を作りました。そこから生まれたのが合唱組曲「紫金草物語」です。
そして、この歌を歌う人たちが日本各地で紫金草合唱団を結成し、今では日本の北の仙台から茨城、東京、金沢、奈良、大阪、広島、福岡まで1,000名を超える人々が活動しています。
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音楽に国境がない |
歌で平和を祈念 |
南京に到着した一行は、13日午前中、新装なった南京大虐殺記念館で催された南京事件70周年の追悼式典に出席。その日の夜は、南京暁庄師範学院で交流コンサートを行いました。そして、翌日、南京大虐殺記念館で「紫金草の花園」の開幕式を行いました。この花園は、紫金草の草の根運動のきっかけをつくった山口誠太郎博士の息子さんの「平和の花園を建設する会」が募金した1000万円も生かされています。
このあと紫金草合唱団は、12月16日夜、上海市の上海師範大学で交流コンサートを行いました。前半は「紫金草物語」、後半は上海師範大学の教師と学生による演し物でした。帰国後、求めたアンケートには次のような気持ちが寄せられています。「今まで正直、日本に対するイメージはあまりよくなかった。初めて日本人から『お詫び』という声を聞き、歌という形で聞いたことに、大変驚いた。驚きと感動で、夜も眠れないほど、いろいろ考えさせられた。両民族の和解は何より大事ではないかと思っている。」
(作文・撮影:遠藤啓一さん 編集:傅 穎)
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