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中日の医療協力に尽力ー国立国際医療センター近藤達也病院長
   2007-12-11 21:37:10    cri

近藤達也先生

万里の長城ーーお父様が中国から持ち帰った 葉書の拡大版

 北京に滞在したことのある日本人なら、誰でもその名前を知っている病院・中日友好病院。1984年、北京で竣工して以来、中日友好のシンボル、また、両国の医療交流の場として、両国の首脳をはじめとする各界の注目を集めてきました。設立されて20数年間、多くの日本人医師が中日友好病院を訪れ、病院の発展に力を尽くしてくれました。日本国立国際医療センター病院長・近藤達也先生も、まさにその一人です。

 日本の脳神経外科の黎明期から今の発展に至る過程を見守ってきた近藤先生。脳神経外科が正式な診療科として認可されて早々、東大の脳神経外科室に入局しました。以来、手探りしながら、世界初の全身用定位放射線治療装置を開発するなど、日本の脳外科分野で活躍してきました。

 その一方で、近藤先生の心の中には、「漢文の国」中国に対する強い親近感がありました。というのは、かつて中国に行ったことのある父親から、中国文化の話を多く聞かされていたからです。1987年、中日間の医療面における相互理解を深めるための一環として、脳神経外科共同プロジェクトが発足した際、近藤先生は手を上げて応募し、調整役として初めての訪中を果たしました。二ヶ月の滞在期間中、中日友好病院で、悪性脳腫瘍に対する新しい化学療法に関する共同研究に関して指導を行なったのをはじめ、中華医学会神経外科の第一次年会にも日本の代表として出席しました。

大切な葉書

パンダ模様のクッション

 二ヶ月の滞在成果は先生の業務報告書にまとめられていますが、特に印象的なのは、「最先端技術に挑む姿を頼もしく感じたが、基礎的知識が不充分である点も目立った」という一行でした。それこそ、当時の中国の第一線の医療現場における実情を言い当てている見解でした。   

 また、近藤先生がいた国際医療センター脳神経外科は、すでに1983年から、中国からの医師研修を引き受けていました。こうした中国人医師との個人的な付き合いも、中国に対する理解を深めるきっかけになったそうです。

 初めての訪中からちょうど20年が経ちました。今、近藤先生の目線は、新しい分野へ注がれています。それは、「中国を拠点とした、感染症の学術・医療協力ネットワークの構築」です。両国の医療協力がますます深化している現在、近藤先生の存在は、非常に貴重と言えるでしょう。先生は、「中国との交流は大げさなものではなく、草の根のレベル。誠実な医学のあり方を支援していくことこそ有意義ではないかと思っています」と話してくださいました。

 (取材後記:先生のオフィスに飾られている自慢の品の一つはなんと、元中国共産党主席・華国峰氏のサイン入りの葉書。親友の中国人医師からの贈り物だそうです。また、壁には、お父様が中国から持ち帰った葉書を拡大した長城の水墨画が掛かっており、椅子にはパンダ模様のクッションが。いかにも中国と縁のある近藤先生らしい部屋です。また、口数は少ないのですが、先生が書いた報告書などを拝見するとその文章構成力・表現力には驚かされました。緻密さ・冷静さが必要とされる外科医らしさが文面によく表れている気がしました。)

(取材:傅穎東京特派員)

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