Q:北京放送から届く返信カード、デザインがいろいろですね。特に、北京オリンピック記念で、オリンピック・デザインのものを準備中と聞き、とても楽しみにしております。また、切り紙(切り絵)を送ってくださることもありますよね。切り紙について詳しく教えていただきたいのです。縁起物をモチーフしたものが多いと聞きますが、ご紹介いただければうれしいです。
A:切り紙は、中国で最も古い伝統工芸の一つです。その歴史は、紀元6世紀、つまり、中国の南北時代、あるいは、漢や唐の時代にさかのぼることが出来ます。
地方では祝日になると、庶民らが自らハサミで赤い紙を切って切り紙を作り、ドア・壁・窓に貼り付けます。こうして、長寿や家族の安全を祈ります。民間ではいろいろな流派があり、その中でも有名なのは、北方の高密派と南方の仏山派です。北方のほうは素朴でシンプル、南方のほうは繊細で細工が細かいのが特徴です。題材は、伝統的なものでは、十二支・植物(桃・葡萄・竹・松)・動物(金魚・鯉・犬・猫)・歴史上の人物・伝説などがあります。最近は、北京オリンピックに向けて、オリンピックのメインスタジアムや、"一つの世界、一つの夢"のスローガン、五輪の各種目をモチーフに、新しい切り紙を創作している芸術家もいます。
経済の発展とともに、若者は切り紙作りに余り興味を示さなくなり、農村部の中高年の女性しか作らなくなりました。現在、この伝統芸術の保護と伝承に取り組む必要性が叫ばれています。(担当:任春生)
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